星組御園座版『王家に捧ぐ歌』を見たんだ・1

星組公演感想,星組

ことなこ主演の星組御園座公演『王家に捧ぐ歌』のライブ配信を見ました。
2月26日(土)16時公演、前楽ですね。
コロナ禍ゆえに公演期間が短縮になりましたが、こうしてライブ配信ができたこと、Blu-ray収録もできたことはよかった。

御園座版の衣装・ビジュアル・セット等について

先行画像やポスターが出た段階でどうなるんだと危惧されてた出演者のビジュアル。
オペラ(観てないけど)を踏襲したと思しき過去作とは違い、ずいぶん現代的なものになっていました。

ざっくり言うとエジプト側が白、エチオピア側が黒をメインにした民族的なもの。

白と黒の対比は時代背景や出演者に詳しくない人にも親切な仕様です。

衣装もセットも全体的に簡素になっていました。
お金持ちのエジプト側もゴテゴテしたほとんど飾りはありません。
おかげで1幕終わりで戦いに敗れたエチオピアの人たちが「光ってやがるぜ」と言うのに「光ってないけど……?」とツッコミを入れざるを得ないことに。
スゴツヨ感も薄め。
背景もあっさりしてて、全ツに持っていきやすそうだなと。

ファラオすらも簡素。玉座とかそんなにあっさりしてていいの……?
ブランコで移動する演出もなし。
「現人神」として奉られてる感じがないのもあって、人間ぽさや父親らしさが出たファラオでした。

アムネリス様がただただ光り輝いておられました。
アムネリス様、だれよりもヒロイン。

謎だったのが主役・ラダメスの衣装。
現代的な白のジャケットの背中には真っ赤な太陽と蛇。

うん、特攻服かな?

与えられた伝統の剣を背に壇上から降りてくる姿がカチコミ前のヤンキーに見えて……。
いやもう、なんでラダメスだけ衣装のテイストが違うのよ。
主役だから目立つようにという計らい……?

ヒロイン・アイーダのひっとんはスカートの前部分に大きくスリットが入っていて、ひっとんの美脚堪能なお衣装でした。
衣装これだけかい!というツッコミはさておき似合ってました。

簡素なのと(全体)、キラキラと(アムネリス)、民族的なのと(アイーダ)、現代的なのと(ラダメス)。
どこに行きたいんだい、これは……。
統一感があると脳があまり混乱せずにすむんだけど。

衣装やセットが簡素な分、ことなこを筆頭とした生身のジェンヌさんの実力で見せる作品になっていたように感じました。
出演者たちはほんと素晴らしかった。

フィナーレ

本編のあとにはフィナーレ付き。
御園座の中階段を大いに活用しておられました。
前場面の終わりから次のメンバーが階段でスタンバって踊り出すのは楽しいですね。
(なお、衣装の統一感のなさはここでも)

・最初は白衣装の男役5人のナンバー。
センターはぴーすけで、きわみ・ひーろー・さりお・天飛の順に歌っていたかと。
ひーろーの扱いがいいのはご当地だからでしょうか。
ぴーすけセンターというのもぐっときますね。

・続いてこっちゃんの黒燕尾でダンスソロ。
こっちゃんは歌だけじゃなくダンスもめちゃくちゃ上手いのだった。
そして男役が集合して群舞に。

・男役群舞のさなかに若手たちが中階段に登場、ロケットに続きます。
曲はスゴツヨ。
エジプト系の鮮やかな衣装でした。

・ひっとんセンターでドレスの娘役がロケットの途中から中階段上で踊り、そのまま娘役のナンバーに。
歌は「エジプトはすごい」から転じた「アフリカはすごい」。

歌詞の「アフリカはすごくて素敵」も素晴らしくトンチキで笑える……けど、ひっとんが色っぽくていいなぁ。
下ろした長い髪も似合ってる。
最後は「どんな国もすごくて素敵」というすごいまとめ方には苦笑する。
でも争いに満ちた不穏な世界では、「どんな国も素敵」と互いに敬意を払い合えればいいのに……と思わずにいられない。

・続く男役ダンスの衣装はとてもラフでした。
白Tにジーンズ、水色シャツ、スカーフ、ハットかな。
リゾートスタイル……?
『王家』にリゾート要素がなかっただけに困惑。

・全員集合する中、白トレンチ・白ハットのこっちゃん登場。
「誰も誰も自由を掴め」な歌のソロです。
みなそれぞれの場面の衣装なのでけっこうなカオス。

・トレンチを脱いだこっちゃん、水色のスーツ姿でダンスソロ。曲は「月満ち」~「世界に求む」だったはず。
ひっとんも水色ドレス、カツラも変えてきてデュエットダンス。

パレード

パレードのセンター降り順はこんなだったはず。

エトワール都⇒さりお・くらっち・あまと⇒極美⇒ぴー⇒ひっとん⇒琴

くらっちのアムネリス様はけっこうなヒロインだったので、3人口で、しかも若手と一緒に降りてくるのが変な感じ。
くらっちの歌長めなのは配慮かな?

さすがに、ラストの並びは極美・まりん・くらっち・琴・ひっとん・なっちゃん・ぴーの順でした。
こっちゃんの隣、下手先頭なのはおさすが。

エトワール都ちゃんは納得。
しかし衣装が舞台のエチオピアの女のもので、もうちょっとエトワールらしくしてあげて下さいよ。
小羽根もないしさ。

終演挨拶

終演後には主演・こっちゃんのご挨拶がありました。
Blu-ray発売もこのとき発表されましたね。この配信回が残るみたい。

「Blu-rayをご覧の皆様、未来に向かって話しかけております」
「何年か後にBlu-rayを見たときは『あのときは世界中が大変なときだったね』となるように」

大変さについては具体的には述べず。
でもコロナ禍はもちろん、ロシアとウクライナのことも含まれているのかなと感じました。

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