『My Dear』感想・2

OSK

OSK版ミーマイとでもいうべき『My Dear』の感想の続き。

1回しか観てないけどものすごく面白い作品。真麻くんのサヨナラに宛てた作品とはわかってるけど、これだけで終わらせるのはもったいない。再演してほしい。
もちろん、真麻くん並みに踊れる人が主演を務めるのが条件ですが――って厳しいかな(特にタップ)。

・ビリーの真麻くん。彼は「正義の人」という感じがする。まっすぐで強い。
『情熱の翼』でのたけふ公演の主演を思い出した。
あのときも小柄さを打ち消すような強い光と、内面の強さを感じたんだ。

ビリーの仲間を守ろうとする気持ち、成長しようとまっすぐに取り組む気持ち、もちろんジルを愛する気持ち。
どれも嘘がない。

こんな真っすぐな若者がいてたまるか!と思いつつも、「頑張れ~」と応援したくなってしまう。
ほんとエエ子や。おばちゃんになったせいか、こういうのに弱い。

ただ優しくて、真っすぐなだけでなく、いろんな意味での強さがあるのがいいよね。
賢さもその一つ。
彼は孤児院育ちで学はなかったけれど、勉強にも真摯に取り組みホテルの後継者としてのふさわしさを身につけていく。
それと同時に信念は揺らがない。
自分にとってどれが大事で、どれはさほどでもないのかがよくわかっている。きちんと選べる賢さと、捨てられる強さがある。

気持ちの良い主人公でした。

・ビリーの恋人・ジル役に千咲さん。
真麻くんのサヨナラ、OSK版ミーマイという気になるポイントは多々ありつつも、まずはこの人を観にきたので、チケットが手に入ってよかったです。

というのも去年の武生公演にさかのぼるわけですが。
終演後のサイン会でサインを書いてもらいがてら「大阪のほうのお芝居も観に行きたい」と言ったら「ぜひきてください」と言ってもらえたのよ。
でもずっとタイミングが合わなくて全然行けなくて「このままじゃ私嘘つきじゃん!」と思ってたもんでねぇ……。あ、千咲さんはまっっったく覚えてないと思う!
(サイン会での会話をいちいち覚えていたらすげーよ)

千咲さんはちっさくて可愛かった。
可憐で健気でいじらしさを演じられるけど、何気にパンチがあるというか、大人っぽい感じも受ける。
歌劇の娘役としてのふわふわ感を出しながら、地に足のついた血の通った大人の女性の雰囲気も持ち合わせているのが面白い。

なんとなくだけど、ひたすら若さや愛らしさ、少女めいたフェアリーっぽさを求められる宝塚の娘役に対して、OSKの娘役のほうが自立を求められて大人びた雰囲気になるのかな。

「別れたほうがいいんじゃないか」と悩むところのいじらしさが可愛い。
それと、ジョージ(ミーマイでいえばジョン卿)に促されてビルにふさわしい女性になろうと決意するところもよかった。

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Posted by hanazononiyukigamau