宙組版『不滅の棘』感想・2

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作品は私にはどうも……なものでしたが、出演者はよかったです。

主役、エロール・マックスウェル他を演じる愛ちゃん。
花組版のオサに比べてナルシスト感や人外っぽさ、意味わかんないほどのスターっぽさやぶっとんだ感じは低め。
ですが、まぁオサが特別ぶっとんでたのであって、愛ちゃんだって充分ぶっとんでると思います。
白のスーツとかコートとかが似合う似合う。
さすが長身、スタイル良し。
このビジュアルを堪能させるために演目が決められたのかと思うほど。

オサの人外感の代わりに、人間味が多めなのが愛ちゃんエロールでした。
プラハでエリイ・マック・グレゴルと名乗っていた時代、「裸になって抱き合うか」云々とフリーダ・プルスに投げかける言葉があるんです。

オサ版のときは「ひいいいなにエロいこといきなり言いだすねん!!」となったんですが、愛ちゃん版だとそれが痛みを伴った言葉として響く。
情を交わしても、愛を得ても、それは永遠には続かない。共には生きられない。
そういう哀しい魂のほとばしりとして聞こえました。

スターとして君臨していても、多くの女たちを侍らせていても、タチアナ(せーこちゃん)に氷のようだったと言われても、どこか温かい。どこかが優しい。
元々はふつうの人間で、フリーダや子孫への想いを胸に抱きながら生きてきたのだろうと思えるエロールでした。

エロールといえばやはり見せ場は1幕終わりのステージでしょう。
愛ちゃん、歌うまくなってたような。

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Posted by hanazononiyukigamau