『カサブランカ』感想・5
ヴィクター・ラズロ役の蘭とむについて。
かっこいいです。
なんですかあの体の厚みは(そこかよ)。
リアルに外国人男性みたいです。
ラズロは辛抱役で、演じる人によっては「単なる恋敵」になりそうなところなんだけど、存在感があるのはさすがだった。
恋敵としても反・ナチス運動の指導者としても。
ラズロは心が広い。
だから女(イルザ)の譲り合い。
どっちにいた方がイルザが幸せかを考えてるもの。
最初の出番で、「もうそろそろ」云々言うところが好き。
リックとイルザの関係になにかを感じつつも、それを隠してるんだろうなと感じさせる演技がいいんだ。
反ナチスの指導者としての存在感もすごかった。
たしかにこの人がリーダーならついていけるだろうと思わせるものがある。
信念がある。
行動力もある。
だから皆が尊敬しともに戦うことを選んでしまう。
そんなラズロだから、パリ時代のイルザが張り裂けそうな心の痛みとともにラズロを選ぶのがわかる。
理屈以外の部分で納得するんだ。
1幕での蘭とむの出番はものすごく少ない。
最初30分出てこないし、少し芝居してからその後また20分ほど出てこないし。
開演30分後の登場は「ハイ、2番手です!」な扱いじゃない。
芝居の流れとしてはすごくきれいなんだけど、スター様を見ること(で、拍手を送ること)を考えるといまいち。
その後の2回目の登場はイメージ的な扱い。
いちおうリックの夢の中、ということになるのかな。
この登場の仕方はかっこよかった。
回想の戦闘シーンで、舞台セットの小さい階段をのぼる。
レジスタンスを率いる強さやカリスマ性が感じられた。
ダンスは言うまでもない。
でも戦闘シーンの途中からの登場だし、ちょっと踊ったらすぐに場面が変わってしまうから時間的には短い。
1幕最後にもこれまたちょっとだけ出る。
ここではゆうひさんの歌の背景。
出てきて、止まって(ストップモーション)、まだ動いて。
カフェに集う人物群像っぽい感じなのでセリフひとつあるわけじゃない。
なので初日はけっこうモヤモヤした。
2番手の出番がこれだけ!?
総・舞台滞在時間どんだけやねん。
2幕、2幕は出番あるんでしょうねっ。
2幕はでまくり。
しょっぱなから銀橋を駆け抜け、革命家として歌う。
『我々は生きている』の歌の途中で「今日ー」と歌い上げられたときにビクッとしたが、ありがたいことになんでもなかった。
(でもちょっと残念)
でもこの歌はすごくいいです。
心にしみる。
「黙祷」とセリフが入るところでじわっとくる。
そしてドイツ国歌とフランス国歌の戦い。
ここがすごい。
曲がどうなってるのかわからないが(だってどっちの国歌もよく知らんし)、わけのわからない力に押されてテンションが上がる。
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