『阿弖流為 –ATERUI–』感想・1

星組

星組DC公演『阿弖流為 –ATERUI–』7月16日(日)12時の回を観てきました。

・とてもいい公演でした。
原作が長いのでそれをうまく2時間半(休憩込み)にまとめたな、と。
多用された映像はいらないと思うところもあるけど全体的には派手でわかりやすかった。
地図だけでなく、登場人物の名前がばーんと出てくるのは親切だなぁ。耳慣れない名前が多いし。

ヒロインの佳奈の設定は変わってましたが、これはこれで。

配役表を見たときに思ったとおり、坂上田村麻呂の関係者が増えてました。
阿弖流為と田村麻呂の友情部分は原作ほどはなくて、その部分は物足りなく感じた。

上演する上での時間的な制約があるからなぁ……とは思うんだけど、この2人の友情ががっつり描かれてないと2幕終わりの「降伏だ」「和解だ」の部分がしっくりこない。
――そう思うのはあらかじめ原作を読んだからで、原作で描かれた特別な2人の友情なしでも話は進むっちゃ進む。田村麻呂が阿弖流為と母礼を殺させまいと尽力する原動力が弱まるだけで。
そして、田村麻呂の2番手度が下がるだけで。

・スカピンのときは「れいまこっちゃん独り勝ち」と感じたのに、今回はそう感じなかった
阿弖流為というキャラクターがショーヴランほどの強烈さ・苛烈さがないため、すべてを押し流すほどの迫力が必要なかったというのもあるけど、単純に脇を固める人たちが上手かったというのもある。
ガチで上手い人たち持ってきたわ!
あと、「この人、芝居はいまいちだよね……」って人が今回はいい働きをしてたというのもある。

・鮮麻呂しーらんは嬉しい驚きだった。
ちゃんと大人の存在感ある芝居できるんじゃん。

都で、檻に入れられた姿の目と体の使い方にはぞくっとした。
蝦夷としての怨みだけでなく品も残し、思慮の深さも情熱も感じる。
阿弖流為らを動かした人としての説得力があった。

・柚長が男役だった。
芝居で、ギャグじゃなくて娘役が男役を演じることは稀なので驚いた。
しかも違和感ないし。美形だし。

桓武天皇が阿弖流為ら蝦夷と和解しない理由がものすごく大野センセイらしかった。
公演プログラムに書かれてる「親政」と絡むわけだ。

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星組

Posted by hanazononiyukigamau