戦前「グラフ」

先日、阪急池田文庫で戦前の『宝塚グラフ』を見せてもらってきました。
興味深かった……!

以下、主な内容と気になったところなど。
表記はほぼ現代仮名遣いにしてあります。(めんどうなので)
敬称略。

●昭和11年5月号(創刊号)

・表紙・広告等含めて全20ページ
サイズは『ル・サンク』と同じかな

・定価20銭

・表紙は二條宮子

・オールモノクロ

・たくさんの写真に軽い添え書きがある
読み物はほぼない

・春日野八千代、難波章子、久美京子の袴ポート(バストショット、各1ページ)

・堀正旗作「アルペンローゼ」場面集(2ページ)

・「青葉若葉の宝塚は日本のハイデルベルヒ 青い五月の武庫川よ!」

袴姿のタカラジェンヌが武庫川べりでさまざまにポーズをとっている(2ページ)

・「ロザリータ 稽古場のぞ記」(2ページ)

『ロザリータ』という演目の稽古風景
タイトルロールのロザリータ役は橘薫、恋人役のジャックは神代錦

洋装の人もいるが、着物に緑の袴姿が多い。
「ペルーの娘達のダンス」も着物に袴。

・中劇場公演『ロザリータ』、大劇場公演『アルペンローザ』のスチール(各1ページ)

・「青い袴の姿も軽く新入生の心は躍る 学校宝塚」(予科の巻)(2ページ)

日本舞踊、ダンスなどの稽古風景。休憩時間の様子も。

当時の生徒は今とは違って子ども。
おかっぱ頭が可愛い。

ダンス教室風景は「バレーシューズがまだ出来ないので、一寸可笑しな、ダンス教室風景です」――足元は足袋?

・「セントーレアの花に囲まれた慈愛の家 堀正旗氏家庭訪問」(1ページ)
豊中駅からタクシーで5分のところにお宅があったそうです
ご家族、ペットなどと一緒に

・葦原邦子の随想(1ページ)
随想というより詩みたい

・公演案内(1ページ)

・裏表紙は株式会社壽屋の広告。
赤玉ポートワインには「葡萄のもつ天然の幾多の滋精を更に強化して而も濃密に保有しています ぐんぐんと強くなる為には 太る為には 必ず日常飲んで戴きたい頼母しい栄養酒です」、コーリン(リンゴジュース?)には「爽快な味です 而も血液を清浄にし血色をよくして 身体の若返りに著効があります」と。

栄養が前面に出るのが時代です。

●6月号

・表紙は小夜福子

・轟夕起子「けしに寄せて」

ケシ畑の中でけしの花を手にした轟夕起子のポート(きれい)と詩。
詩は当時らしい擬古典調。

あまりあかきけしの美はしければ
我、かすかなる眩暈を覚え
過ぎし日のエリザベートを思ひ起こしぬ

戦ひの庭に
死せりと思ひし人の現はれし時
あかき花は狂ひ悩めり。

・「フォト・コント 或朝の素描」
月野花子と秩父晴世が阪急電車で会い劇団に向かう様子を写真とキャプションでコミカルに描く

ガッチャン(タイムレコーダーです)を押して「今日まだ早いから勉強しようか」「うん声楽の勉強しよう」

で声楽教室で、「うちが弾いたげるからあんた先に歌いや、ええか弾くで」「ドレミファソラシド」

「あんまり歌い過ぎてお腹が空ったわ」「あんた何食べる?」「うち支那料理」「うちはカツ丼食べるわ」

・「公演休暇 ゴルフに興ず」
タカラジェンヌがロングスカートでゴルフをする様子

●7月15日号

・表紙は草笛美子

・モンテ・クリスト伯爵・小夜福子のアップの写真がとてもいい。

・「海のいざなひ」
タカラジェンヌたちの水着ショット。(今では考えられない!)

名前が出ているのは宮島あき子、紫藤子、竹宮嘉久子、早瀬千代子、牧場茂子、江川鈴代、柵もみじ(? うまく読めず)、桐しげみ。
どういうポジションの生徒さんだったのだろう。

「水着・阪急百貨店調製」とあるので、阪急の広告の役目も果たしているのでしょうか。

・「車中のスナップ 七月花組公演 大阪→東京」
東京へ向かう車中のジェンヌたちの写真。
お弁当などを食べている写真も。

「宇知川さんと千歳さんがお友達から贈られたサクランボを食べています。」

お友達というのはやはりファンのことかしら。

・「宝塚の舞台にかけて見たい文芸名作品 制服の処女」

これは前月号で募集広告があったもの
マヌエラ・海原千里、ベルンブルグ先生・櫻緋紗子、校長先生・園井惠子、学友・松島喜美子

なんだか吉屋信子的な百合のかおりがします。
女学校物ですね。

●8月15日号
全24ページに増えました

・表紙はスイカを食べる大空ひろみ
いきなりコミカルになった

・自作自演の大レビュウ 「メーゾン ダムール」相手役は奥様で 白井鐵造氏家庭訪問
このシリーズでようやく私でもなんとなくわかる人が出てきた……

演出家や音楽の先生らはどなたもモダンなお宅にお住まいです。
こういう文化の香りが宝塚歌劇の売りでもあったのでしょう。

・六甲山に小林一三先生を訪れて

逸翁とは! 超大物が登場!!

訪れたのは雲野かよ子、葦原邦子とこれまた大物。

小林「十日ばかりここで過すことにしている。●原君、先日電車で一緒になったね。あの時君●周囲にいたのは、あれ皆君のファンかね」
葦原「はあ、あの時の……」
小林「ファンも度を過さないと愛されるんだが●適度にやらないから君達に嫌われる……」皆●事はそうだ」
葦原「そうですわ」
小林(雲野かよ子のバンドバッグを取って中を●る)「何を入れてるんだ。これは何だ」
雲野「大江美智子さんの切符です」
小林「貰ったのか」
雲野「いいえ売ってくれとたのまれたんです」
小林「可愛そうに、売らされるんだね(しばら●沈黙)君は、親切だね……」

断ち切られて文字がなくなっているところは●で示しました。
当時のファンも熱烈だったのね。
そして昔から生徒さんがチケットを売っていた。

・渓谷にコーラスするキャンプの8人娘
ダンス専科C組生徒さんが楽しんでいる様子。

・新進紹介 可憐な二つの花
夢たづる、高原大和

当時の若手紹介なのでしょう。

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