『Bandito-義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ-』感想・4
ロングコートを翻しての男役たちの踊りのあと、まゆぽんとあーさのコートが取り払われ、そこからホテル・ソーレでの海賊ダンス(アトラクション)になり、物語世界へ入っていく。
この流れが好き。
暗い色の物語全体の通底音となるような場面から、ショーアップされた鮮やかな色彩への変化する、コントラストが見事。
あーさ・まゆぽんと、後から出てくるたまきちの並びは雄々しくて良い。
マーメイドの娘役ちゃんも可愛い。
あの衣装とカツラはどんな子でも半端なく可愛くみせるなぁぁぁ!
(惜しむらくは動きが揃いきっていなかったこと。横1列に並んだり、腕を上げたりするときの角度がきれいじゃなかったの)
まゆぽんのロンバルドが、1幕では2番手に見えた。
1幕では宇月のヴィトー・ルーミアという役があまりよくわからなかったことと(特に初見ではつかみにくかった)、まゆぽんの存在感によって。
まゆぽんが、若返っていた。
まゆぽんは95期生、今はまだ研6ではあるのだが、なんせ組子からも「専科さん」とネタにされるような人であった。
『春の雪』の松枝侯爵や、『月雲の皇子』の博徳先生が当たり役になっちゃうような人である。
ロミジュリ新公の落ち着いた雰囲気に「若いのが苦手なのか」と思ったのも懐かしい思い出。
(これは、先日読んだ雑誌『シアターガイド』のインタビュー記事で、本公演の大公でいっぱいいっぱいであったという事情もわかったが)
今や本公演でも上級生・中堅をさしおいて、堂々とおっさん役を演じている。
そんなまゆぽんが若返っているのに感動した。
やればできるんじゃーん。
若返ったまゆぽんロンバルドは、たまきちのジュリアーノの信頼深き親友に見えた。
ロンバルドもジュリアーノを兄のように慕っているけれど、純粋に慕って彼に夢を見ている取り巻きのような他の山賊とはやはり一線を画している。
おそらくはジュリアーノがロンバルドには心安らげただろうな、という雰囲気があったから。
1幕終わりが特によかった。
ジュリアーノが自分たちを捨てていこうとしているのを感じていて、でもそれを恨まない。
切ないさわやかさが胸にきた。
翻意したジュリアーノにバイクのサイドカーに乗るよう促され、隣に座った顔の嬉しそうなことといったら。
2番手とおりこしてヒロインかと思いました……。
でかいヒロインだな。
ところで「再会したら謝りたいこともあるし」みたいなことを言ってたと思うだけど、「謝りたいこと」がなんだったのかわかりませんでした。
これを言うのがピショッタなら、別の組織とつながってたことなのかなぁと思うんだけど、ロンバルドにそんなところあったっけな?
ここだけ疑問が残った。
ディスカッション
コメント一覧
お茶会でのお話によると、昔の恋人・マウリッチャを助けようとしたジュリアーノを、止めたことだそうですよ。
ちなみに、たまきち・あーさ・まゆぽんの銃は、大野先生が愛知県で購入してきた私物だそうです。コダワリですね。
>謝りたいこと さま
あー、マウリッチャ!
なるほど、確かにそうですね。
教えていただきありがとうございます。
銃は私物との情報もありがとうございます。
小道具とか、こだわりだしたらキリがなさそうですね。