半世紀前

雑誌・書籍

宝塚の元・演出家、内海重典氏の『宝塚に生きて半世紀』を読みましたよ。
これは対話形式で行なわれた「なにわ塾・内海重典講座」をまとめたものです。

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内海先生についてはお名前しか存じ上げませんが、昔のことを知れて面白い。


 もう亡くなりましたが、高木史朗という作者がおりました。彼は私と同じ関学の出身で、私とはよきライバルでした。私は、世界中の多くの文学作品の主人公が女性であることに気づき、宝塚の舞台でも女性を主役にした作品をやるべきだと主張していました。しかし、高木先生の見解は全く逆で、男役を主役にして男性客を呼ぼうという考えを持っていました。
 ですから、高木先生が男役を中心にしたものをやると、その次には、私が女性を主役にしたものをやる、という感じでした。すると、高木先生は私に「僕がせっかく呼び込んだ男性ファンが離れていくじゃないか」と文句を言うわけです。

現代の私は男役に女性ファンがきゃーきゃー言うのを普通だと思っているので、「男役を主役にして男性客を呼ぼうという考え」がすごく不思議です。
冷静に考えればさもありなん、ではあるのですが。

時代が違えば根底になる考えが違うもんですね。

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