花組『エリザベート』感想・5

タイトルロール『エリザベート』のシシィを演じた蘭ちゃんは頑張った……!

演技(特に1幕)と歌が上達していて、人間やればできるのだなぁという気持ちに。
なんせこれまでの歌がすごかったので(もちろんよくない意味で)、今回の進歩には目を瞠りました。

エリザのためのボイトレを前々からしているという噂はありましたが(それも演目が発表されるずっと前から)、それが本当ならばその成果が出たということでしょう。
ただ、「もっと早くやれよ」とか「(それが本当なら)シシィの前に蘭寿さんの退団公演の練習してよ」とか心中毒づきましたが。

芝居では特に初夜の翌朝の「あなたは私を見殺しにするのね」がよかった。

本来なら彼女の集大成と呼んでしかるべき出来でしょう。
(ただ、「本来なら」と前置きをつけるのは、集大成に至るまでの流れがあまり感じられないから。
過去の公演での成長を踏まえての今公演の出来、というふうにつながらないからです)

しかし「頑張った」っていうのも、トップ娘役を2年程度ならまだしも5年もつとめている人に対して送る言葉としてはいかがなものか……。
歌と演技が両立できないのは相変わらずで、大いに歌いあげるところはシシィじゃなくて蘭ちゃんが頑張ってる状態だし。
2幕は1幕ほどの出来ではなかったし。
「今回頑張ったから今後に期待」というお方でもないしねぇ。

というわけで彼女の努力と一定の成果は評価しますが、手放しで褒めるのはなんか……というところです。

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コメント

  1. dc より:

    半年以上前に一度おじゃました同郷の者です。
    私も週末見てきましたが、ほぼ同意です。
    やはり引っ掛かってるのは前の相手役さんの事があるから手放しで褒められないんですよね~(蘭寿さん本人やファンの方は満足されてるのかもしれませんが)
    そういった諸々をなぎ倒したお花様はやはり偉大だったなと思います。
    革命家が重要人物になっているの、とても同意です!!トートが薄めで人間的だったせいかもしれませんね。

  2. ゆきたろ より:

    >dc さま
    お久しぶりです。
    前の公演(蘭寿さんの退団公演のみならず、さらに前のものも)をきっちりやれていれば、風あたりの具合もかなり違っただろうなと思います。
    私が観に行ったときも、思いを同じくしておられるらしい方の声はいくつか聞こえてきました。
    革命家についてのお考え(トートが薄めで人間的だったせいかも)についてはなるほどと思いました。
    トートが強いと革命家は翻弄される感じが強くなって、結果として革命家は弱まるのかもしれません。

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