花組『エリザベート』感想・5

2020-12-26花組公演感想,花組

タイトルロール『エリザベート』のシシィを演じた蘭ちゃんは頑張った……!

演技(特に1幕)と歌が上達していて、人間やればできるのだなぁという気持ちに。
なんせこれまでの歌がすごかったので(もちろんよくない意味で)、今回の進歩には目を瞠りました。

エリザのためのボイトレを前々からしているという噂はありましたが(それも演目が発表されるずっと前から)、それが本当ならばその成果が出たということでしょう。
ただ、「もっと早くやれよ」とか「(それが本当なら)シシィの前に蘭寿さんの退団公演の練習してよ」とか心中毒づきましたが。

芝居では特に初夜の翌朝の「あなたは私を見殺しにするのね」がよかった。

本来なら彼女の集大成と呼んでしかるべき出来でしょう。
(ただ、「本来なら」と前置きをつけるのは、集大成に至るまでの流れがあまり感じられないから。
過去の公演での成長を踏まえての今公演の出来、というふうにつながらないからです)

しかし「頑張った」っていうのも、トップ娘役を2年程度ならまだしも5年もつとめている人に対して送る言葉としてはいかがなものか……。
歌と演技が両立できないのは相変わらずで、大いに歌いあげるところはシシィじゃなくて蘭ちゃんが頑張ってる状態だし。
2幕は1幕ほどの出来ではなかったし。
「今回頑張ったから今後に期待」というお方でもないしねぇ。

というわけで彼女の努力と一定の成果は評価しますが、手放しで褒めるのはなんか……というところです。

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