『一夢庵風流記 前田慶次』の新人公演の個々人の感想。
●前田慶次を演じた主演のうしくんは、派手な衣装に負けない美丈夫。
あの衣装に着られてないというのがまずよかった。
こういうのって経験値云々よりも素質の問題だと思うから。
武将というよりは智将の雰囲気が前半は濃かった。
参謀として各国に自らを売り込みに行きそう。
うしくんの慶次がするのは「いたずら」ではなく「悪だくみ」の雰囲気。(えりたんはもちろん「いたずら」である)
謀略、暗躍という言葉が似合うんである。
どことなく暗い光を宿してるんだな。
(そしてえりたんも若いころ「陰性の華」だのなんのと言われていたことを思い出した)
歌が上手い。
芝居も丁寧だった。
その丁寧さがまた「智将」「参謀」っぽさとして映ったのかもしれない。
ついでに言うと、最初の殺陣が――映像を前に一人で踊るやつも、偸組の忍びとやりあうのも――ちょっと段取りっぽく見えたせいもあると思う。
(ていうか1回しかないから大変だよねぇ)
でも途中から、たしかまつとのラブシーンのあたりから「武将」前田慶次として見えるようになった。
なんか不思議。
●ヒロイン・まつを演じるのは研3の有沙さん。
忍びあがりのような雰囲気。
北野天満宮でかぶいた踊りをしている場面では、それが本職に見えた。
なんとなくシャキシャキしている。
あゆっちのようなほんわかした雰囲気はなく、バシッと正面から前田家を率いていきそう。
昔月組にいたあいあいを思い出した。
こちらも歌がうまい。
学年を考えると立派だなぁ。
●新公の慶次とまつはどちらも悪だくみが似合う人で(失礼?)、ゆえにきょうだいのような呼応を感じた。
知られざる過去を持っている2人、あるいは共犯者のような、秘密や罪を共有しているがゆえに互いに安堵感を覚えて甘えられる関係のように見えた。
別にそういう話じゃないんだけど。
ラブシーンは色っぽかったです。
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