主役・ネフリュードフ公爵の蘭寿さんは優しい男でした。
カチューシャを監獄に訪ねた折の「(カチューシャを)殴らないでくれ」と女看守(いぶちゃん)にお願いするあたりが特に。
(なんかここ真似したくなる)
あと誰かれなく「ありがとう」って言ってるし。
まあくん演じるセレーニンにまで「ありがとう」って言ってるのはすごいな。
この人がまともに仕事をしてたらカチューシャもネフリュードフさんもシベリアに行かずにすんだというのに。
それでも「国家と友人を思ってしたこと」とわかっているからか、そしてセレーニンもまた人間性を「復活」した人とわかっているからか、彼から感謝の気持ちが出る。
ツッコミも入れてしまうけれど、蘭寿さんの「ありがとう」にはこちらを納得させる力があるな。
そして蘭寿さんは今回もモテモテ設定でした。
男にも女にもモテモテ。老若男女問わず。
弁護士ファナーリン(みつる)が本気になっていくさまはよかったなぁ。
みつるの芝居がまたうまいから、ネフリュードフの熱にあおられ、傾倒していく心情がよくわかる。
いっちゃんにもまた「いい男だ」って言われてましたね。
福田屋のおかみさんを思い出してついおかしくなりました。
いい男とみると娘をあてがおうとしたり、めいをあてがおうとしたり(笑)。
ネフリュードフに恋する女たちの中ではきらりちゃんのクララが一番よかったです。
大きな役ではないんだけれど、ものすごく美しいし、芝居もよかった。
ミイラ取りがミイラになって「ごめんなさい、おばさま」というくだりがすごくいい。
気品と情と落ち着きと、彼女のこれまでの人生まで見えるようでした。
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