『ダンスオブヴァンパイア』感想・1

宝塚以外

12月2日(金)13時30分の回を観ました。

この公演は役替わりがあり、浦井・高橋・森山(敬称略)の日でした。

1回浦井くん観てみたいしー、高橋愛ちゃん福井出身のヅカヲタだしー、森山開次くんのダンスもひさびさにみてみたいしー。
かの有名な山口祐一郎氏もまだみたことがないしー。

てなわけで、気になるキャストが揃ってるので見たくなったのです。

まず初めて足を踏み入れた帝国劇場は非常に楽しかった。
帝劇100周年というのが関係あるのかないのかわからないが、出演者のサイン入りパネルが柱を飾り、コウモリが天井を飛び交い(もちろんオモチャ)、おみやげや軽食類の物販も充実している。
なにより私を喜ばせたのは、係の人がヴァンパイアの格好をしていたことだ。
建物もレトロで味わいがある。

そんな感じで開演を迎えたのだが、肝心のミュージカルは残念ながら私の好みじゃなかった。
あんなにコメディだとは思いもよらなかった。
勝手に「耽美なゴシックホラー!!」なものを想像していたが、梅芸でもらったフライヤーをみたらちゃんと「妖艶で、コメディータッチ、そして激しいダンスが登場いたします!!」と書いてありましたわ…。

ストーリーはよくあるヴァンパイア物。

教授と助手(浦井くん)がヴァンパイア研究のためにとある村を訪れる。
泊まった宿屋には美しい娘(愛ちゃん)がいて、彼女にヴァンパイア(山口氏)の魔の手が伸びる。
助手はそれを察知して彼女を守ろうとするが、かねてより父の抑圧にうんざりしていた若い娘は欲望を充たしてくれるヴァンパイアの元に向かう…。

これをわりと軽いテイストで笑いあり涙あり派手なダンスもミュージカルナンバーもあり、サービスの客席降りもふんだんにあり、でお届けする。

曲は楽しかった。
出演者の歌もうまいし。
「ニンニク食べて男はビンビンだー」とかはヅカではできんなぁ、と思いましたが。

お父さんの娘を思う歌は泣けた。
娘にしたらウザいことこのうえないだろうが。

とりあえずみんな歌がうまいです。
いいほうにも悪いほうにも「うわ、なにこれ!」と思うことはなかったけど、ちゃんと聴けるのはいいな。
ミュージカルだし。

劇中、客席通路を使うことがかなりあった。
私は2階の安い席にいたのでよくはわからないが、客席をとおって退場したり、客席をつかって逃げてまた舞台に戻ってきたり。
そういうのが相当回数あった。

1階席に座っているとそういうのも楽しいし、楽しめるのは高いお金を払った人の特権だとも思う。
けれどあまりに回数が多すぎてうんざりした。
2階席がおいてきぼりになるからというのではなく、その楽しさに頼ってばかりではないかと感じたから。

でも、こう思うのは私が出演者のファンじゃないからかもしれない。
仮にこれを宝塚でやって、客席をとおるのが自分の好きなジェンヌさんだったらテンション上がりっぱなしかもしれない。

でもそういう一過性の楽しみと、本質的な作品の良さはまた別だしなぁ…。
(たとえてみれば、毎日バランスのよい食事をとって作られた健康な体と、不摂生をしつつもとりあえずユ●ケル飲んで馬力を出してる状態の差みたいな)

とはいえ、この作品が良いか悪いかの判断はおいておきます。
私の好みじゃないだけで世間的にはすごくいい作品なのかもしれないし。

ちなみに2階席にも人はきてくれました。それも2度ほど。
気を使ってくれているのはありがたい。

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