「もしイタ」みてきた

宝塚以外

9日夜は『もしイタ~もし高校野球の女子マネージャーが青森の「イタコ」を呼んだら』池田市民文化会館アゼリアホール公演を観てきました。

コレ

コレ

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開演前の発声練習から楽しませてくれます。

青森中央高校演劇部による巡回公演です。

1時間ほどの舞台、衣装・効果音・舞台セットなし。
(巡回公演なので、生徒の身一つで成り立つように作られている)
作りは質素ですが、とてもそれを感じさせないほどに――いや、「ない」からこそかえって彼らのパワーを感じる凄い舞台でした。

舞台は青森のとある高校。
8人しか部員のいないやる気のない野球部に、女子マネージャーが勧誘した転校生が入部。
またコーチを呼んで甲子園に出る秘策を得ますが、それがイタコのお婆ちゃん。
果たして彼らはどうなるのか、ほんとうに勝てるのか……という笑っちゃうような設定で、実際めちゃくちゃ笑うわけですが、内容にはすごく重いものを抱えてます。

転校生は、元の学校では野球をやっていました。
それが大地震と津波で仲間を失い、たった一人生き残った自分が野球をすることに抵抗をおぼえています。

女子マネージャーはやり投げの選手でした。
インターハイに出られるほどの腕でしたが、故障で投げられなくなりました。

野球で勝つ秘策としてピッチャーにおろしたのは伝説の名投手・沢村栄治。
彼は戦争で、心ならずも手榴弾を投げされられ、肩を壊して戦死しました。

あの震災で生き残ったものはなにをするべきか? を笑いをふんだんに取り入れた舞台の中で激しく問いかけてくる作品です。

最後にほかの部員たちが、震災で亡くなった仲間やピッチャーの母親らをおろす場面は涙腺にきました。

たしか、12月に茨城と一関(だったと思う)で公演するそうなので、気になった方はぜひどうぞ。

出演者は全員熱演で気魄も演技もすごかったんですが、なかでもイタコのおばあちゃん役の子にはびびらされました。
あの、常に足がぷるぷるしてる姿……!
歯のない喋り方……、まさに老婆!!

ほんとに高校生なんだよね……?

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