蘭蘭『ファントム』感想・2

2021-02-11花組公演感想,花組

キャスト的に歌にはまっっったく期待できないメンバーだったんですが、特訓の甲斐あってかちゃんと聴ける歌になっていました。
もちろんオサみたいなものを期待しちゃだめだけど。

蘭寿さんも蘭乃ちゃんもていねいに歌っていて、歌の面での進歩がみえました。
やればできるんだなあ。
ていうかもっと早くやってよ。

嬉しさの半面、蘭寿さんのヨーデル歌唱がないとなんか物足りなく思えるのはただのないものねだりというものでしょう。
でも破壊力のある笑いはけっこう好きなんだよ…。そんなのをミュージカルに求めるのは間違ってると思うけど。

ミュージカルとして蘭蘭コンビ他の歌がどうか、という是非はもちろん分かれると思いますが、芝居歌だと思えばアリだと思います。
ま、私、そうとうな耳音痴ですんでもともと許容範囲はすごく広いん(で、アテになるかどうか…)ですが、なんにせよ確実に進歩があったというのは喜ばしいことではないかと。

歌でいいなぁ、と思ったのは蘭乃ちゃんが歌う「My True Love」(私の真の愛)。仮面をとって素顔をみせて、とエリックに迫るところですね。
声もきれいで絶唱と呼んでいいと思います。

ただ、そのときの表情があんまり宝塚のヒロインぽくないように思えました。
オペラかなにかの歌手が本気を出しているときの顔に近い。

断っておきますが文句をつけているわけではありません。
特に優れた歌い手ならば表情のヒロインらしさと歌唱の両立もできるでしょうが、蘭乃ちゃんではまだムリだというだけの話。
そして彼女は表情よりも歌を優先させたというだけのことだと思います。

「表情が…」といっても特別きたないわけではありません。「宝塚のヒロイン」というごく狭い枠からは外れているように感じただけです。
それに全体ではヒロインとしてよかったと思うし、これから舞台に慣れるにつれてきっとよくなっていくと信じたいと思います。

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