『龍の宮物語』感想・2

12月に1回だけ観た『龍の宮物語』の感想の続き。
例によって放置してました。
観劇時の感情と記憶、そしてメモはあるのでいちおうまとめて残しておきます。

・せおっち演じる清彦は白く優しい役。
なにがあっても、どんな人が相手でも優しく接する。
スーパーヒーローではないただの人間でありながら、せおっちの嘘のつけなさそうな人柄の良さが出るような役でした。

攻めか受けかでいえば完全に受けのポジション(BL的な意味ではなく)。
いっそ淡白とも言いたいほどに。
来るものをけして拒絶しなさそうな雰囲気がせおっちにはあって、役にリンクしてましたね。

清彦はヘタレといえばヘタレで、土下座し金を差し出して事を穏便に済ませるというのは宝塚ではめったに見ないヒーロー像でした。
昔だったら「情けない」「男ならせめて少しは戦え」と言われていたかもしれないけれど、現代では受け入れられると思う。
というか、この脚本・演出を手掛けたのが一定年代以上の男性作家だったら、確実に「情けない男」として演出をしたんじゃないかな。笑いの要素を入れたりして。

あ、黒髪の書生姿が似合いすぎ!
あの髪型と服装でかっこよくなるのってけっこうハードル高い気がするんだけど、すごくきれいでした。地の顔がいいからなぁ……。

・玉姫を演じるくらっちのじっとりとした(しっとりは超えていると思う)雰囲気・存在感があっての物語。
くらっちには「情念の女役」ってコピーつけたくなるわぁ。
歌は言うまでもなく、役も合っていました。

姫というよりは后の派手な衣装も似合っていたし。

演技は、「あと一歩」と言いたくなったな……私は。
清彦の言葉に揺れ動き、ふいに漏れ出る優しさ、打ってかわって心にもない言葉、隠していた感情への気づきなどが必要な役。
もちろん健闘していたのだけど、心理の揺れの幅の表現がちょっと大きすぎるといいか、もう少し繊細だったらよかった。
観客に玉姫の感情の揺れをわかってもらわないといけないし、けれどやりすぎてもいけない(わざとらしくなる)から難しいんだけど、もう少しいい塩梅はあるような気がする。

タカラヅカニュースでも散々流れた「龍の宮」と両手を広げて門を開くような動きをしながらの歌は見事でした。
存在自体に物語を動かす力が感じられるのは、新公学年を超えて長く活躍している娘役だからこそできることでしょう。

玉姫の「怒りを持っていないと自分が何者なのかわからなくなってしまう」みたいな言葉に、すごいわかるわーってなりました。
でも怒りを再生産しつづけるのもしんどいんだよね、わかるー。

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