『夢介千両みやげ』東京新公を見たんだ・2

2022-06-05雪組公演感想,雪組

ライブ配信で見た雪組東京『夢介千両みやげ』新人公演の感想。
5月19日(木)18:30開演です。

ヒロイン・お銀(華純さん)

元は巾着切りで色気で男をだましてきた過去のあるお銀。
夢介に惚れこみ、押しかけの世話女房と化します。
姉御肌なところもあり、若い娘役にはなかなか難しそうな役どころ……ですが、華純さんは危なげなく演じていました。

2020年初舞台の106期生、まだ研3なりたて。
『CITY HUNTER』新公で王女アルマ・ダヤン(本役は夢白ちゃん)を演じ、バウ『Sweet Little Rock 'n’ Roll』ではミリー役とキャリアを積み始めたところ。
まだまだ浅い経験値のはずですが、そうは思わせない落ち着きと舞台度胸がありました。

華純さんのお銀に、ちゃんと「姐さん」的な気風のよさと、夢介の妻となるべく良い人間になろうとする健気さも感じられました。
華純さんは若いけど安定感があるんですよね。
それにきれいだし。

ただ、メイクはもっと上手くなる余地があると思います。
これも経験と工夫で乗りこえていくでしょう。

2番手・総太郎(かせきょー)

本役・あーさの総太郎役を演じたのはかせきょー。
華純さんと同期の106期生、こちらも危なげない舞台を務めました。
106期生は初舞台から大変だった分、肝が据わってるのかしら。

「なにせこの顔、この声、この目力、モテてモテてしょうがない」のボンボン感は充分。
あーさ総太郎に比べて愛嬌は控えめで、体躯のよさからくる悠揚迫らぬ雰囲気がありました。

お父さんの伊勢屋総兵衛役は紗蘭くんで、けっこう似てる親子でちょっと笑う。

3番手・三太(一禾くん)

スリの少年・三太(本役はそらちゃん)に一禾くんが配されました。
江戸時代の17才なんて「少年」なのか……?と違和感があるんですが、そういうのはさておいて一禾君の三太はじゅうぶんに少年らしいものでした。
学年的なものもあると思う(そらちゃん比)。でも演技力ももちろんあるのよ。

スリをしている三太は情報屋でもあり抜け目がない。
稼業からして善人とは言えないが、妹や弟をかわいがる情はあるし、お糸ちゃんとのやりとりも可愛い。
今後も完全な真人間にはならないだろうけれど、それも含めて浮き足立ちつつも世知に長けた生き方をしていきそうだ。

浜次(夢白ちゃん)

新公配役が出たとき、本役がゆきのちゃんってどうなのさ(路線娘役的に)と思った浜次役ですが、

夢白ちゃん、ドハマり!!!!

まずビジュアルが美しい。
大人っぽいのもあって芸者が似合う。
出てきたときから「美女がいる」と思わせる存在感と美しさはさすがですわ。
和物も洋物も問わないビジュアルなのね。

そしてタンカを切るところがめちゃくちゃ似合うったら。
かっこいい。
意地と粋にあふれたいい女っぷりです。

ああ極妻とかやってほしい……(極妻、あんまり見たことないけど)。

ほか、いろいろ

・伊勢屋の女中・お松役はブーケちゃん。(本役はひまりちゃん)
ひまりちゃんよりメイクのおてもやん度は低めで、演技はひまりちゃんより湿り気が多い感じでしたね。

・有栖ちゃんの春駒太夫、可愛い~!(本役は愛すみれちゃん)
いつもより演技もよかったような。
見た目と歌がすごくいいから新公ヒロインを期待してしまうんだけど、素敵な下級生娘役もたくさんいるからなかなか難しいのかなぁ。同期は夢白ちゃんだし。

・嘉平の真友月くんは本役のゆーちゃんさんによく学んだ演技でした。

・三太の妹・お鶴ははばまいちゃん。
本役のブーケちゃんほどは笑えず……。
互いの間合いもあるだろうし、笑いを取るのは難しいなぁ。

・偽旗本・一つ目の御前に蒼波くん。(本役はまなはる)
相変わらず上手いねぇ。

蒼波くんは雪組の悪役専科化してるような……。
タッパもあるし上手いし似合うんだけど、脇に置いとくのはちょっともったいない気もするんだよね。

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