
花組東京宝塚劇場公演『うたかたの恋』の新人公演をライブ配信で見ました。
無事、上演されてよかった……!
最後のご挨拶で長のだいやが言っていたとおり、花組が東京で新人公演をできたのは3年ぶり(だったかな)。
この『うたかたの恋』は大劇場での新公もできず、花組生も、ファンも「新人公演」というものに飢えていました。
若手の成長・活躍の場であり、またファンにとっても若手を見守り、また期待の生徒を見つける場である新人公演が上演でき、ライブ配信も行われてほんとうによかった。
今回の主演・皇太子ルドルフ役は103期のらいと、ヒロインのマリー・ヴェッツェラは107期の七彩はづきちゃん。
らいとは『元禄バロックロック』に続き新公主演は2度目です。
はづきちゃんは新公初ヒロイン、なんせ研2ですから! しかも中卒なのね。
ほか、2番手のジャン・サルヴァドルがれいん(104期)、3番手のフェルディナンド大公が鏡くん(106期)、今回の4番手・ブラットフィッシュがみそまる(105期)。
娘2格のミリー・ステュベルがみこちゃん(104期)、娘3格?のソフィー・ホテックが初音夢ちゃん(105期)、という布陣です。
新公担当は本公演と同じく小柳センセイ。
割愛部分や新公オリジナル演出、アドリブらしいところは特に見られませんでした。
ストレートに作品を演じました。
※以下、あまり褒めてないところがあるので読みたくない方は注意※
ルドルフ・らいと
主演のらいとは本公演でも徐々に使われている若手男役さん。
まだ新公主演2度目だったんか!
忌憚なき意見としては「上手くならんなぁ……」です。
特に芝居が。
らいとが演じる憂愁の皇太子ルドルフ(本役・かれーちゃん)には、愁いの影がない。
明るいというか、ライトで(らいとだけに?)、なんか軽い。
悩みが少なそうで死に向かいそうにない。
ハプスブルク家の重苦しさも、帝国の終焉に近づきつつある世界情勢も感じ取れていなさそうに見えました。
人として、鈍感なのはある意味強い。が、本作のルドルフではない。
マリーとイチャイチャしているところなどはまだいいとしてザッシェルの店で荒れる場面も、マイヤーリンクでの最期も唐突だった。
マリーへの執着も、死に向かう精神的な必然性もないからですね。
ザッシェルの店での荒れ方は反抗期みたいだったわ……。
あの「お前を清らかなままでおこうとした誓いを自ら破ろう」も、「誓い、持ってたんですか……?」と突っ込みたい感じでした。
大階段での登場シーンは、スタイルの良さと長身が映えます。
見せ場ですから。
そして主題歌はがんばって仕上げてきたー!!
他の歌はあらららとなるところもあったんだけど、ここぞという場面だけはちゃんと仕上げてくるのは立派です。
ていうか、しょっぱなの主題歌の一点集中で仕上げて、ほかは犠牲にした感が……。ある意味清々しいし、勝負のかけ方としては悪くない。
しかし芝居が苦手で(苦手だよね?)、歌も当たり外れが大きく、ダンスもいくらか伸びてきたとはいえ得意でもない。
特技はビジュアルのみという現状はなかなか辛いもんがある。
新人公演があと1年あるので、なんとか……。
(といって、新公主演をもう1回観たいというわけではないよ)
マリー・はづきちゃん
主演のらいとが芝居が得意じゃないので、『うたかたの恋』の大部分ははづきちゃんにかかっていたと言っても過言ではない。
研2・初ヒロインにして相当ハードなものを背負ってましたが見事に応えました。
16歳の少女であるマリー・ヴェッツェラの初々しさとみずみずしさ。
本役のまどかは演技で可憐さを出してましたが、どうしても経験値その他からくる貫禄がある。持ち味自体がそもそも「少女」じゃないしね。
一方、新公のはづきちゃんはさすがに研2らしい初々しさにあふれてました。しかも中卒だから中の人はまだ10代だよね。
顔立ち自体は大人っぽいけれど、瞳の輝きが素晴らしくて、まさに夢見るヒロインを体現していました。
それでいて実力は申し分ない。
歌が上手い!
芝居も上手い!!
ルドルフにまっすぐ向き合う視線がひたむき。
声もきれい。
超若手ながら有望なヒロインの誕生です。
はづきちゃん、107期の次席なのね。
最近は可愛くて歌が上手くて芝居もできる超若手娘役が多くてすごいですね。
音校入学試験がうまくいってるのか、宝塚音楽学校での教育が実を結んでるのか、単に上手い人をちゃんと使うようになったのか。
いい傾向だと思います。
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