『ベルリン、わが愛』新公感想・3

2021-01-31星組

脇の生徒たちが芸達者で心強いったらありゃしない、と思う新人公演でした。
ふつうは新公を見て「未熟さもあるけどキラキラしてていいわねー」と思い、本公演で「本役さんはさすがよね、うまいわ」と感じるもんだろうと思うんですが、星組は逆だからな。(そりゃ上手い上級生もいるけど)
いやぁ、脇が渋くいい芝居するし歌がうまい。

●本役しーらんのアルフレート・フーゲンベルクに遥斗くん。
いい声、上手い歌で「誰!?」となりました。
観てないけどスカピン新公ショーヴランの人だよね。納得です。

しーらんよりは年齢を上げてお金持ちのおじさんの役作り。
がっちりハマってました。
雰囲気に重厚さがあるのがいいよね。

●本役カイちゃんのニコラス・カウフマンを演じたあまじもうまかった。
一つ一つのセリフにきちんと感情が乗っていてすっと物語世界へ引き込んでくれる。
自然に説得力のあるセリフを言う人、という印象。

●本役ポコちゃんのフリッツ・ラングに夕渚くん。
かっこよかった!
彼もまたいい声の人で、芝居は神経質さなどの表現がとてもよかった。

●本役くらっちのルイーゼロッテにはみねりちゃん。
かわいい。
エーリッヒ・ケストナー同様、ルイーゼロッテも「かわいい役」くらいしか思うことがないんだけど、その「かわいい」をちゃんと表現できるのはいいな。

●カフェの女将・ゲルダ役にくらっち。(本役は柚長)
任せて安心、ほんと頼もしい。
こういう年嵩の女性もきっちりやれるのがいいところ。路線娘役的にどうなのかはわからないが、一人の演技者として好感が持てる。

●ジョセフィン・ベイカーはかとりーぬ。
本役のぽんちょとはだいぶ違う感じでした。

まずレビュー場面は「娘役さんだなぁ」と。研11男役のぽんちょとは押し出しが違う。
けれど娘役さんなりの存在感で、素敵で迫力ある歌声を聴かせてくれました。

「おぉ」と思ったのは終演後の芝居。
テオたちが映画の出演交渉をするところや、その前の記者たちに囲まれているところ。
ぽんちょは「気のいい姐さん」なジョセフィンですが、かとりーぬはプライド高く(日本人からは高慢にも見えかねないほど)、「イヤなものはイヤ」な外国人っぽいジョセフィン。
記者のこと、ほんとに嫌いだよね。

こういう風に役を作ってきたか! とニマニマしました。

●ジョセフィンの付き人・エヴァに水乃さん。(本役は小桜さん)
首が長くてスッとしてきれいでした。

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