『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』感想・4

星組公演感想,星組

書き終わってなかった、『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』大劇場と、ライブ配信の感想の続き。

・衣装がどれも素敵。
使いまわしが難しいかもだけどまたどこかで見たい。
ショーのほうが使いやすいかな?

・折り畳み式リラの木。
どこかのお手紙セットにありそうだ。
最初観たときはふふっとなったけど、アイデアですね。

・ちーくんの物乞いがちょっとしたトート閣下みたいでした。
医者にもなっちゃうあたり、とってもトート閣下。
一方、ルキーニかもしれんと思う場面も。

戦いによって人がいなくなったジョージアをさすらう物乞いは年齢も知れぬ。
物語冒頭が何年か『ル・サンク』でも語られていないので、ほんとどのくらい生きているのかわからない。
時を超えた存在に見え、リラの精という人ならざるものとも語らえる彼自身、人ではないのだろう。

・リラの精たちは、美しく儚く優しく強く……な存在かと思いきや、ディミトリの言葉の一部分だけ、それも誤解を生むところだけリピートしてルスダン女王に伝えてくれるという非情さ(笑)。

それでもほのかの美声と娘役芸は値千両ですわ。

・銀橋に居並んでのジョージアン・ダンスは痺れる。

・ジョージアの危機の一つはモンゴルの襲撃。
モンゴルって日本では元寇のイメージが中心で、台風によって撃退できた歴史があるからあまり強いイメージがない。
でも世界の歴史上ではものすごい脅威なんですよね。
ウィキでの版図の拡大図を見ると、ジョージアもホラズムも呑まれたのがよくわかる。
馬&弓(機動力&遠隔攻撃)って最強だしね。

チンギス・ハンを演じるオレキザキ氏の高笑いすごいよかったー!
下手花道で戦を見てるオレキザキ氏がめちゃくちゃかっこいいんだよね。
かれの大きさがモンゴルの強さを見せてくれる。

・ディミトリとルスダンの結婚式がものすごく「黄昏時の結婚式」感があった。(実際の結婚式の時間は知らないけど)

婚礼の踊りの、上半身のブレなさがさすがのこっちゃん。

・きわみくん演じる白人奴隷・ミヘイル。
奴隷ゆえに粗衣ではあるが、白や金は美や高貴さをあらわしやすい色であり、濃い色の多い舞台にあってかれの美貌がことさらに際立つ。

「お慰めする」がイコール性的なものになっちゃうのは、ミヘイルのこれまでの扱いを考えてしまうところもあるのだけれど、学もなかったであろうことを思うと已むを得ないのかもしれない。

奴隷が女王の寝室に易々と入れるのはちょっと待てとなるけれど、女官長もアヴァクの一味だからかしら。
あるいは単にタマラ王女を救ったことで信頼されていて、自由に出入りOKになってたのかもしれない。

・タマラ王女は今回の新公ヒロインを演じたひよりちゃん。
可愛くて上手い。これからも期待の娘役さんですね。

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