聖乃版『舞姫』感想・2

花組公演感想,花組

ほのかちゃん主演の花組バウホール公演『舞姫』を観ました。
5月11日(木)に現地で2回(11:30と15:00)、5月14日(日)15:00にライブ配信の計3回です。

ライブ配信で見たほのかちゃんは喉の調子が悪いようで……。
木曜日はきれいに声が出ていたんですが、映像に残るであろう日曜日の千秋楽に不調だというのはお気の毒です。
楽曲の多いミュージカルだものね。ここまで歌いこむことも今の段階ではそうそうないだろうし。

ほのかちゃんは将来のトップを見込まれている人。
楽曲が多いときにどうすべきか、乗り越えていかなければならない壁なのでしょう。
歴代トップになったスターさんたちも、たいていは一度はこの手のことはやってますし。
次に主演するときはおそらく東上つきでしょうから、その日に向けて発声の見直しなどが必要になるのでしょうね。(もっとも今回の喉の不調がなにに由来するものかは不明だけど)

声の不調をもってしてもなお、主役としての輝きと演技には目を瞠りました。
発光しているかのような美しさでした。
また芝居は、エリスに惹かれていくところも、芳次郎との友情も、岩井への叱咤激励も、相沢への信愛も、どれもが心から発せられているものでした。
2幕で、芳次郎の死などを契機にエリスとの別れを決意する場面の悲愴さは胸に迫ります。

太田豊太郎は基本的にシリアスな場面やラブシーンが多めなんですが、まいら演じる岩井とのやり取りはちょっと笑えました。
「(細菌の採取のために汲み上げてる)手に便所のにおいが染みついちゃって大変なんだ」という岩井は豊太郎の手を握っている。
「……ごめん」と謝るまいらに、握られた手を柔らかい微笑みのまま差し伸べ返すほのかちゃんは強いし、「細菌のせいなんだ、ぼくのせいじゃないよ」と逃げるまいらは可愛いがすぎましたね。
豊太郎には数少ないほのぼのした場面です。

千秋楽こそお気の毒でしたが、生で観たときはほのかちゃんの歌も良くて。
声も好きだわ。

あ、声といえば。
芝居で男役をしているときはパーンと張った声を出すのに、ご挨拶のときはほわっとした声なんですよね。
ご本人の性格的にはそんなにほわっとしてなさそうなのに(あくまでイメージです)。
なんか不思議。

木曜日の15時公演。
「今日はヒロさんのお誕生日」とほのかちゃんが紹介。照れるヒロさん。
お客様の中にも今日が誕生日の方いますか?とほのかちゃんが呼びかけたら、1人いらしたらしい。
「お2人にとって良い一年になりますように」って最高のプレゼントですね。

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