
3月24日(日)13:00の花組大劇場公演『アルカンシェル』に続いて行われた「柚香光サヨナラショー」について、の続き。
ENCHANTEMENT主題歌(『ENCHANTEMENT』)
退団者4名(舞月・帆純・愛蘭・美里)が下手から上手へ銀橋を渡り、歌い継ぐ。
トップスターやそれに準ずる人のみが行うサヨナラショーならではの粋なはからいです。
卒業は寂しいけど、ハレの場でもある。
美男子2人と美女2人の並びは目の保養。衣装もとても素敵。
しかし、このテの歌い継ぎはムズカシイ……。
花火キラキラ(『元禄バロックロック』)
上手からまどか、下手からかれーちゃんが出てきて銀橋で歌う。
バロクロは2人の大劇場お披露目でしたっけ。
SF系和装じゃなくて白いドレスとドレス燕尾で歌ってるのが、すごくきれいだけど「ああ、サヨナラなんだなぁ」としみじみしてしまった。
「花火キラキラ」と歌う2人のまなざしが、舞台の美しい思い出を愛おしんでいるようでもありました。
ラストはオデコこっつんして、手を引いて本舞台へ。
Cheek to Cheek(『TOP HAT』)
何回リフトするの!!
れいまどのデュエットダンスの最高峰のようなダンスですね。
このデュエットダンスは久しぶりのはずなのに軽々と見せる……さすがの息の合い方。
そういやプレお披露目のとき、これをやるためにまどかは宙から花へ来たんだなぁと思いました。
経験のある中でのトップ娘役スライドは、どうしてもファンの期待値も上がってしまう。
引き継いだ同期トップ娘役でも華ちゃんとは別のベクトルと完成度を求められるわけで、元から大きな期待がかけられるだけに大変だったんじゃないかな。
見事に期待を上回りましたね。
夢の中で(『アナスタシア』)
まどかにとって宙組ラストの公演だった『アナスタシア』からのソロ。
いろいろ噂されましたが、宙組時代もりっぱなまどかのキャリア。
歌唱力も含めてトップ娘役に選ばれた彼女ならではの役でタイトルロールでした。
理想のために(『二人だけの戦場』)
2番手であり次期トップスター・ひとことの場面もちゃんと用意されている。
全方位に気遣い、楽しませてくれるサヨナラショーです。
ひとこの「バッサバッサ」をまた聞けるとは。
『二人だけの戦場』は思いもよらず面白かった公演でした。
すごくハリーらしいよね。
かれーちゃんは芝居もめちゃくちゃ上手いので、こういうところでちょっとした芝居が見られるのも嬉しかった。
かれーちゃんが、軍人用のコートを脱いだら黒燕尾というのはテンション上がりますわ。
コートとバッグ2つ持って捌けるひとこ、がんばれー。
黒い瞳(『はいからさんが通る』)
大階段にまっすぐに光があたり、一人でのぼっていくかれーちゃん。
どこまでも美しい。
端正で華やか。
大階段の真ん中にエッフェル塔が描かれてるのは変な感じですが、仕方ないですね。
そして大階段の左右から斜めに降りてくる男役たち。
黒燕尾の群舞です。
黒燕尾は宝塚の男役にとって特別なものゆえ、神聖で張り詰めた雰囲気が漂います。
その緊張感がここちよい。
気魄あふれる黒燕尾でした。
Fashionable Moment(『Fashionable Empire』)
かれーちゃんのサイン電飾が降りてきて、男役たちはいったん捌け、かれーちゃんのソロへ。
しっとりとしたソロを聴かせ、盛り上がるパートにうつるときにまどかが背後から登場するのがすごくいいんですよね。ザ・相手役の風格。
髪に飾ったお花がまたきれい。
全員がチームにわかれてかれーちゃんとわちゃわちゃする場面もあり。
2番手ひとことのダンスもあり、もちろんまどかとの見せ場、退団者ピックアップも。
同時退団者は胸にお花を飾っていてひときわきれいでした。
この場面の娘役のドレスが綿菓子かシャーベットみたいな色味ですごくきれいなのよね。
途中でかれーちゃんは黒燕尾のタイをほどくのですよね。
きっちり着こなした姿も絶品ですが、スタイリッシュなかれーちゃんは少しくずしたのもまた似合うのである。
麗しいってすごいな。
Fashionable Empire主題歌(『Fashionable Empire』)
全員でわちゃわちゃし、かれーちゃんは客席に投げキスもし、にこにこ笑顔で弾けて幕。
歌もダンスも芝居も全部見せ、現相手役も前相手役も2番手も同時退団者も大切にし。
全方位への気遣いと楽しさを両立させたとても良いサヨナラショーでした。
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