
7月27日(木)に観た『鴛鴦歌合戦』新人公演の感想の続き。
若手花男の顔をあまり覚えていないのですが……(人の顔を覚えるの、めっちゃ苦手)。
瓦版屋のみくるんは今までも言われてた、たまちゃん、はなこちゃんにずんちゃんが足された感じ。
瓦版屋の月翔くんには瀬戸氏を思い出し、秀千代の鏡くんはキョロちゃんぽいなと。
主役・浅井礼三郎/れいん
主演のれいんは本役のかれーちゃんのような枯れた寂しさはなくて、素直で若い感じがしました。
かれーちゃんの礼三郎は捨て子育ちゆえの寂しさが根っこにあって、だからまどかお春から「自分は幸せになっちゃいけないって思ってるんでしょ」と言い当てられてしまう辛さがある。「金持ちは嫌いだ、ことに成金は嫌いだ」という恨みも、重い。正直なところ、いきなりなにを言い出すんだと思うほどに。
れいんの礼三郎にはそこまでの重さはなくて、だからこそ「金持ちは嫌いだ」のくだりもさらりと受け入れられる気がしました。
ビジュアルはいつかどこかで見たありちゃんですね。
『長崎しぐれ坂』のらしゃとか『川霧の橋』の清吉とか、かな。
志村狂斎/海叶くん
本役がしい様の志村狂斎、セリフも多く歌もあり、路線役ではないとはいえ大役ですよね。
見事に務めました。
道具屋の言葉に乗ってしまう素直さも、骨董への愛も、娘・お春への愛も。
どうしようもない父親で、でも愛らしい人物です。
(でも自分の親じゃなくてよかった)
道具屋六兵衛/まれくん
飄々として、人を食ったようなところもある道具屋六兵衛。
さすがはまれくんでした。
お殿様がきたら途端に志村の扱いがぞんざいになるところとか、自分が売りつけた骨董なのに「よくもこんなガラクタばかり……」と言うところとか、ほんとひどいんだけど笑ってしまう。
舞台上で、上手く脇を締める人になるんでしょうね。
三番手・秀千代/鏡くん
本役のほのかちゃんとはまた違った感じで演じた秀千代ですが、こちらもよかったです。
「いやじゃいやじゃ」など言い方を変えてて、でも演技としてしっくりくる。
鏡くんも華があるというか、なんか目立つなぁ。ちゃんと押し出しがある感じ。
希蘭くんの空丸(本役・まるくん)ともいい主従ぶりでした。
瓦版屋虎三・平敦盛/みくるん
瓦版屋は芝居のとっぱしということもあり、華も芝居も欲しい役どころ。じゅうぶんに応えていました。
本役がほっちゃんの平敦盛は凛々しく美しかったですね。
『桜嵐記』のたまちゃんの美丈夫ぶりを思い出しました。
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