『今夜、ロマンス劇場で』東京新公を見たんだ・1

月組公演感想,月組

月組東京公演『今夜、ロマンス劇場で』新人公演をライブ配信で見ました。
3月10日(木)18:30の公演です。

月組らしく芝居の上手い、良い公演でした。

ヒロインの美雪・まのん

ムラ新公のときに「新ヒロイン誕生!可愛い、上手い!!」と評判だったまのんちゃんこと花妃舞音ちゃん。
騒がれるのも当然と思える出来でした。

まず可愛い。
宝塚のヒロインとしてビジュアルって大事ですよね。
ビジュアルも多少の好みはあるにせよ、たいていの人が可愛いと思うであろうお顔です。

セリフ声も可愛い。
舞台のザ・娘役というよりはちょっとアニメ声っぽい感じなのかな。
そこも好みが分かれるかもしれないけど、でも可愛い声です。

歌声はとてもきれい。セリフ声よりは歌声のほうが好きだなぁ。
ていうか、まのんちゃんって歌がめっちゃ上手いのね。
月組下級生娘役は歌が上手い人が多すぎるくらいですが、彼女もその一角にきました。
月娘下級生は歌ウマしかいないのか、そうじゃないと路線に乗せてもらえないのか。
詩ちゃんを星組に放出してもだいじょうぶなわけだよ……。

芝居もキュートでいやみがない。
本役の海ちゃんは原作の映画寄りで作ってるように見えましたが、新公のまのんちゃんはアニメっぽい感じですね。ツンケン度は低めです。
「あの居丈高でツンツンしてたのは実は……」みたいなところも少なめですが、これはこれでよかったと思います。

これで研2かぁ……。抜擢にも納得できすぎる。

ラストシーンの舞踏会で、主演のぱる健司に思いっきり抱きつきにいったのも可愛かったですね。

主役の健司・ぱる

主演のぱるくん演じる健司は、まのんちゃん演じる美雪姫に比べるとおとなしい役。
その大人しさの中に男の子の優しさや愛、可愛さが感じられる健司でした。

ぶつかっていくまのん美雪をどーんと受け止めてるように見えましたね。
これが上級生の余裕か、ぱるくんの大らかな雰囲気によるものか。

ぱるくんは技術的になにが特に上手いという感じはしないんだけど、真ん中にいて動じない感じがあって、安心感がありますよね。
それが美点だと思います。
「新ヒロインデビュー!!」の勢いを感じたまのんちゃんよりは一歩引いた感じだけど、それもまた健司らしい。

スタイルの良さ、長身も真ん中らしさに一役買ってました。

本役のれいこ健司との比較でいうと、リアルな若さや少年みを感じますね。
美雪に振り回されていらだつところもリアル。
ぱるくんはどこか朴訥として茫洋とした雰囲気を持っているので、そのあたりもまた不器用な助監督っぽい。
(れいこちゃんだと「自分が映画スターになったほうがいいよ」感がどうしても出てしまう)

きらきら感は低めながら、丁寧に織られたコットン生地のような気持ちの良い健司でした。

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