『NEVER SAY GOODBYE』感想・2

宙組公演感想,宙組

内戦下のスペインを舞台にしてるので宝塚的なきらきらしい華やかさにはやや欠けますが、ショーアップされた場面も多く退屈しない。
さすがは小池先生、手慣れていらっしゃる、見せ方がうまい。

バルセロナでの人民オリンピック(オリンピアーダ・ポピュラール)開会式のリハーサルのところとか大好きです。

闘牛士の翻すムレータ、女たちが返す扇の手捌き、乱れなき各色のフラッグ。
地味だけど背後のオリンピックと書かれた旗の動きもぴたりと揃っている。
そろった群舞は美しい。

・闘牛士ではとにかくほまちゃんを見まくった。
ヒゲがお似合いでいらっしゃる。
この公演が最後かと思うと泣ける。

・一番好きなのはカマラーダ(真風とオリンピアーダ)たちの戦場でのダンスです。
静謐で神々しく尊い。
ほとんどが斃れてしまったけれど。

すずこちゃんのカゲソロもお見事で効果的。

・ソロといえば、市長りっつも良かった。
こういうピンポイントで歌の実力者を使ってくるところ、イケコめっちゃ好き。

・センチュリア・オリンピアーダは出番が多い。
でも回数を見ないとキャラの個性はなかなか把握しづらい。

分かりやすく美味しいのはキョロちゃんのタリック。
裏切るけれど、あのギリギリの状況では仕方ないよねとも思ってしまう。
タリックは一生、十字架を背負って生きるのだろうか。

オリンピアーダの中で生き残るのがヴィセントとタリックだけというのが皮肉です。

しどりゅーディックの知性あるいい人感はぴったり。

オリンピアーダは外国の人なのにスペインのために命を賭して戦う。
志は尊いけれど、国に残してきた恋人や家族や友人のことも思ってくれ……とも考えてしまうよね。

でもそもそもナチスのオリンピックではなく「労働者オリンピック」のために集まった人たちだから、正義や、自由や、理想のために向かってしまうというのもわかる気がする。

・ひなこちゃん(=ハンス)のキレイさが増したような。まさに路線男役の輝き。
なんとなくまぁくんを思い出しもした。
笑い方が似てるのかな?

・キヨ(=ナセール)のダンス、きれいだったなぁ。体の使い方が抜群。
長身男役の中にいてもダンスでは埋もれないのはさすがです。

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