ありちゃん主演の星組博多座公演『ME AND MY GIRL』をライブ配信で見ました。
10月28日(土)15:30の回です。
何度も再演されている作品で、私も過去にいくつか観ています。
たしか最初に観たのが月組あさかな(94期生初舞台なのでけっこう前ですね)、そして花組まとあや、月組まさちゃぴ、花組みりかの。
月組と花組でばっかりやってたミーマイが、今回はようやく星組での上演。
とはいえ、この日の主演のありちゃんは月組出身で、ヒロインひっとんとジョン卿マイティーは花組出身なわけで、やっぱり月組と花組の系譜なのかもしれません。
さて今日見たありちゃんバージョンのビル(ウィリアム)ですが、ものすごく面白かったです。
なにが面白かったって、ビルがちゃんと粗野で「男子」の性的さを感じたところです。
極美くん演じるジャッキーが下着にガウン姿でビルを誘うソファーのシーン。
あの場面でちゃんと「私に落ちるわ」と言われてほんとうに落ちるかもと思えるビルだったんですよ。
あのめちゃくちゃきれいだけどでっかくて胸がつるペ……いやなんでもない……なジャッキーを前にして、性衝動がちゃんと見える。
そもそもミーマイのビルって、下町育ちで粗野で品のないことも言えば女性のおしりを触ったりスカートをめくったりもする役。
ただそれだけに、かえって「スミレコード」の中にビルを押し込めようとしてるようなところがあった。
3歳のお子さまだって観る宝塚歌劇だから、その清潔さは正しいこと。
ビルがクッションを腰に当ててポカスカ殴るのだってお子さまだったら意味は分からない。だからいい。
ビルもあえて、性的な匂いをさせすぎずにいたんじゃないかと思う。
演じる人によって、その意図の度合いは違うでしょうが。
で、これまで私が観たビルって、サリーと付き合ってても女を抱いたことなさそうに思えたんですが、ありちゃんのビルは女を知ってそうなんだよね。相手がサリーかどうかは知らん。
知ったうえで、ソファの背もたれでジャッキーの誘惑にくらくらしてる感じがあったんですよね。
ありちゃんたら大人になって……!
いつの間にこんな色気を……!
って、わりと前から気づいてた気もするんですが、改めて驚いたのでした。
もう一つよかったのは、粗野さがしっくりくること。
あれも宝塚のスミレコードの中に入れとこうとするためか、ちょっとわざとらしく感じるときがあるじゃないですか。
品のない言動にわざとらしい感じもなく、下町育ちでいつつ、ちゃんと領主になるべく貴族の教育を受けたビルの姿がしっくりきました。
身を隠したサリーと再会しての「今までどこに隠れていやがった」のべらんめえ口調のキレの良さもよかったですね。
ベビーフェイスの下の翳のある雰囲気に、悪い男が似合う色気もあって、ありちゃんたらほんと芝居が上手くなったわねぇと。
宝塚ファンにありがちな、謎の近所のおばちゃんのノリになってしまいました。
すっかり真ん中が似合うオーラも身につけ、歌に芝居に不安なく、ダンスはもとより抜群に上手い。
長身で肩幅もあり脚も長くてスタイルも良い。
とても良い主演でした。
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