ミーマイは宝塚でも何回か上演されてるようですが、私は初めてなのでどきどきでございました。
いくら前評判が高くとも、自分が見たことがない以上「海のものとも山のものともつかぬ作品」ですから。
なので「面白いといいなー。かなみん退団だし。」ってな感じで劇場に向かったわけであります。
結果。
ハイ、面白かったです。
なにからなにまで素晴らしい、というベタボメ大絶賛というわけにはいきませんが(理由はまたそのうち)、
・音楽がよくて
・ストーリーと登場人物に意味があって
・キャストがそろってたら
大抵おもしろくなります。
で、当然なりました。
こむずかしいことは抜き。
最後はハッピーエンドで安心して気楽に見られる。
ってのも大切な要素です。
(この要素はなくても私はいいですけど・・・。でないと『エリザベート』を見れない)
今の月組に歌ウマメンバーが主役級に集まってたので、それがやっぱり良かった理由の一つですよねー。
タキちゃんかなみん(なんで二人とも辞めちゃうんですか・・・orz)は言うまでもなく、きりやんも歌ウマさんだし、あさこもなんでかトップになってからうまくなった気がするし。
この4人が主力級だからなあ。
なんて揃ったメンツ・・・(博多座どうすんだろう)。
・ビル
この話、ぶっちゃけ、言葉使いが微妙に古めかしかったりギャグとかがちょっとさぶかったりベタすぎたりするところが多々あるのよ・・・。
(マリア)「演奏が始まったんです。」
(ビル)「えーん、そう」
とか。
で、そういうところはそつなくやってる。おとなしい。
けど、体とか間で笑いをとれるところで笑わせてました。あさこのコメディエンヌとしての本領発揮。
一番好きなのはアドリブでいくところ。前回書いた電話のアドリブとか。
演技は間をとるのが上手いと見ていてすごく楽しい。
・サリー
これで退団・・・orz
歌がうまかった。あたりまえだけど。
温かみのある声でサリーの心根の優しさが伝わるような歌でした。
ただその分、サリーの下町育ちで無作法なところ(とくに第1幕)との齟齬が感じられてしまうのが・・・。
物腰、話し方は無作法なのに、歌だけは品があるんだもんよー。
これはかなみんの問題というよりは、ジェンヌがこういう役をやる上での問題点なんだと思う。
ジェンヌとして品はなくせないし、役としては品がありすぎてはいけないし。
ましてや路線娘役街道を走ってきて、「姫」らしく「お嬢様」らしく育てられていればこそ、なおさら。
ジェンヌとしてのスキルが高ければ高いほど演じるのがむつかしくなりそうだ。
だからラストシーンはほっとしました。
貴婦人に生まれ変わったサリーがかなみんの本来の姿だから。(少なくとも舞台上では)
本人が演じ慣れているものを見るのってものすごく安心できる。存在の仕方に安定感があるし。
ああそうそう、フィナーレの二人のリフトはすごかったです。
なんか大サービスって感じ。
・ジョン卿
きりやんは若いのにちゃんとおじさんでありました。
タキちゃんのマリアと同年代と思えるだけの重さがありました。
演技派~。ヒゲ似合う。かっこよすぎ。
そしてどこにいるのかは別として、ほんとにこういうおじさんいそうだ。
パブにサリーを訪ねる場面はいいですよ。
かなみんの歌の途中ですっと退場するたたずまいがダンディーなジェントルマン。
あさこのビルに何度も懐中時計をスられるのもおかしい。その反応がすごく好きだ。
・マリア公爵夫人
タキちゃんも辞めちゃうんですね。月組の歌が・・・orz
マリアさんもいけずと思わせておいて温かいキャラ。
最後の「あなたの叔母にキスしなさい」以下のくだりは結構泣けました。最後はビルの意思を尊重する器量が感じられて。
でも最高なのはビルにパーティーでの振舞い方を教える場面。
「んまァ~~~~」と言いながら手首を回すあのフリは結構クセになります。
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