『グレート・ギャツビー』東京の新人公演をライブ配信で見ました。
9月22日(木)18:30開演です。
新公の演出は田渕センセイでした。
開演5分前から現地の映像(劇場客席内ですね)に切り替わります。
「すみれの花咲く頃」とアナウンスが流れる中、1列になって下手客席に入っていく一団が……って、月組上級生、新公学年の生徒たちにとっては本役さんたちですね。
目が悪くて生徒さんの個別認識にまでは至らず……。でもテンション上がったわぁ。
こういう余得があるとは思ってなかった。
さて『グレート・ギャツビー』の新人公演は、大劇場ではコロナ禍のあおりをもろに受けて再度の公演延期が図られるも上演はされず。
この東京新公が初で唯一の上演となります。
ぶじに行われてよかった。
新公主演コンビは雪組からやってきたあみちゃんと月組育ちのおはねちゃん。
どちらも元より実力は折り紙つきであまり心配はしてませんでした。
実際、予想どおりの立派な新人公演でした。
あみちゃんは最後のご挨拶までしっかりしていて、さすがの優等生ぶりです。
雪組時代から舞台はあぶなげなく、オフ(というかあがちんとのトーク番組とか)でもそつのなさがすごかったから。
主役・ギャツビー=あみちゃん
主人公ジェイ・ギャツビーを演じる主演のあみちゃん、前から思ってましたがれいこちゃんを感じるわー。顔が。
声色、演技も本役のれいこちゃんからよく学んでいるのを感じました。ありていに言ってすごく似てた。
真似られるのも技術ですね。
最初のほうで「朝日が昇る前に」を歌って、ニック・キャラウェイに声を掛けられるところの切り替わりぶりがすごくよかったです。
歌っているときはデイジーを思い続ける少年のときの心をそのまま残しているのを感じさせ、ニックから話しかけられたときは現在のポジションにふさわしい大人の仮面をつけるんですよね。
ギャツビーも絡んでいる裏社会の人達とは、正直なところ並べてやるなと言いたくもなったのですが。
あみちゃんはわりに小柄だし、てら・いっけいなんてめちゃくちゃ大きいし……!
ただこの体格差ゆえに、ギャツビーの成り上がり者感も強く感じられました。栄養状態、あまり良くなかったんだなぁ……とか。
(裏社会の人たちだって別に栄養状態は良くなかったでしょうが)
ヒロイン・デイジー=おはねちゃん
ヒロインのデイジーを演じたのはおはねちゃん。
セリフなどの演技が良いのはもちろん、突出しているのは歌声の美しさ。
どの場面のソロもデュエットも素晴らしかったのですが、わけてもブキャナン邸で子どもが出てきたあとのソロは傑出してました。
歌のことはまったく詳しくないけど、あれ難しいですよね?
静かに歌う声の美しさといったらありませんでした。
正直なところおはねちゃんのビジュアルはあんまり……。
ギャツビーが人生をかけて追い求め、アメリカの貴族・トムがプレゼント攻めにして手に入れた美女というハードルの高すぎる設定はほとんどの娘役が応えられないものだと思います。
それをセリフや歌の美しさでクリアしてくのは、傑出した歌声の持ち主とてさすがに難しいなぁ……、説得力という面で。
私は美人に弱いので(特に娘役は)、もうちょっとビジュアルでヒロインらしさが出たらなぁと思わずにいられませんでした。
彼女の上手さはほんと素晴らしいんですが、センターとなるとちょっと私の求めるものとは違ってしまうんです。
メイク力の向上に期待。
ニック・キャラウェイ=るおりあ
舞台しょっぱなに出てくるるおりあの美しさで、舞台は半分成功したなと思いました(笑)。
なんて宝塚らしい美しさ。
あのビジュアルには観客を舞台に没入させてしまう力があります。
歌、芝居とも実力的に問題なし。
きちんと誠実な演技をしていました。
証券会社勤務の、いいところ出身のお坊ちゃんぽさもありました。
純粋で鷹揚そうな雰囲気が出ていてよかったと思います。
ギャツビーがニックと仲良くするのにはデイジーとのつながりを持つためという下心もあるわけですが、人のふところにスッと入り込める柔らかさも感じました。
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