『アルカンシェル』東京新公を見たんだ・1

『アルカンシェル』新公が行われました

花組東京宝塚劇場公演『アルカンシェル』新人公演をライブ配信で見ました。
5月2日(木)18:30~です。

元々は4月25日(木)の予定でしたが、いったん中止となったあとにリスケされました。
中止となったのはそれに先立って花組の若手である新公主要キャストに休演者が出たことの影響でしょう。(ヒロインのはづきちゃん、3番手のみそまるたち)
大変だったことでしょうが、東京のみでたった1回の新公が無事に上演できてよかった。

なお、『アルカンシェル』のムラ新公は労働改善の一環でなくなったんですよね。友会が当ててくれてたんですが……。

新人公演の演出について

演出は平松結有氏。
月組『今夜、ロマンス劇場で』『フリューゲル』、宙組『カジノ・ロワイヤル』も担当していました。

平松先生について

ググったらこんなのが出てきました。

慶應義塾大学藁谷郁美研究会_Member&Research

ページの概要文を100文字前後で記入します。

慶應義塾大学藁谷郁美研究会_Member&Research

2014年度春学期藁谷研究会メンバー。

https://www.sfc.keio.ac.jp/doc/sotsupuro2010-2019.pdf

慶応義塾大学総合政策学部出身。
2016年度に大学4年ということで、おおよその年齢はわかりますね。(ストレートで入ったかとかは知らん)

ご本人の顔写真もあります。
ていうか、ミライ演出家の生田先生の回でいっしょにテニスしてた人か。

平松結有
総合政策学部2年
研究テーマ:劇団における世界観の構築:ミュージカルにみる演劇手法
お勧め文献:『ミュージカル・劇場解体新書―製作テクニックからマネジメントまで―』

Waragai-Lab

平松結有(SA)
総合政策学部2年
宝塚歌劇団に対する固定概念―創立100周年記念にあたる新聞報道から見える宝塚歌劇団像―

Waragai-Lab

総合政策学部 4年 平松 結有 日本におけるミュージカルエンタテイメントの受容 -宝塚歌劇及び東宝作品『エリザベート』比較分析を通し
て- (Comparative media research of musicals in Japan, -Takarazuka and Toho musical “Elisabeth”-)

優秀卒業プロジェクト

ということで、学生時代もがっつり宝塚歌劇の研究をされてきたらしい。
(軽くググったら出てきたのがぜんぶ宝塚ネタだったのがすごい)

演出上のカットシーンなど

話を花組の新公に戻しまして――。

『アルカンシェル』は1本物。ゆえに、新人公演はそのまま上演することができず場面をカットするなどして短縮する必要があります。

場面のカットで大きかったのは2幕。
マルセルが拷問されたあとの「ココナツ・パラディ」はカット。
カトリーヌのベルリンでのガラコンサートもなしで、すぐに慰問に行ってました。
本公演では舞月ちゃんの餞別シーンであろうジェラールの登場もなくなってましたね。

ほかにも細かくセリフをカットしたり、ショーパートが短くなっていたり(1幕終わりの「青き~」ジャズ・バージョン上演のところだったと思う)。
アネットが「三々五々」と言ってなかった気がする。
カトリーヌが迎えにきたマルセルといっしょに慰問地から帰ったのにはびっくりしました。

人数の関係か、レジスタンスの中に娘役が女性のまま大量に入ってました。
じっさいにレジスタンスにも女性はいたんでしたっけ。
パリ市民の気持ちの強さのあるいいシーンでした。

イヴ・ゴーシェの設定

設定上の大きな変更はみそまる演じるイヴ・ゴーシェ(本役はほのかちゃん)。
本公演では、ヒロさん演じるコメディアン・ペペの子である少年イヴの孫。ペペの曾孫にあたる現代人です。

みそまるが演じた新公では、イヴ・ゴーシェは少年イヴの成長した姿。ということは現代人ではないのでしょう。

新公のみそまる版は少年イヴの成長した姿だから、過去を懐かしむような悼むような視線が印象的です。
本公演のほのかちゃんイヴは現代人だからか俯瞰的な視線をしていて、それがシニカルでもあり、どこか『エリザベート』のルイジ・ルキーニのような狂気をはらんだところがあるんですよね。

本公演のイヴは現代人であることによって、『アルカンシェル』を2024年現在と地続きにすることに意味があるのでしょう。現在の日本も大戦前夜かもしれない。
演劇の持つ社会性・批評性が前面に出ていると感じます。

対し、新人公演はイヴを当時の人物の成長後と位置付けることによって、あくまで「過去の物語」であるという見え方になっています。
タカラジェンヌの成長の過程である新人公演らしく、イヴという1人の人間の成長譚という物語と見ることも可能ですが、そこまでイヴという役は人格的なものが描かれていないから違うかな。

さて、成長後のイヴ・ゴーシェ氏。
外見的にはせいぜい20代、1944年8月のパリ解放からどんなに多く見積もっても20年は経過していないでしょう。

それなのに。
「パリは美しい姿を80年後の今に残しています」
とみそまるイヴが言っちゃったから時間軸が謎なことに。
えっと、新公バージョンは子どもだったイヴ本人って設定だったよね?見た目若いけど。
実は死んで若い姿に戻ったとか?ないない。

最後にメタ発言をされて宇宙猫みたいな表情になっちゃったぜ。

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