『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』を見たんだ・1

雪組大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail-の千秋楽をライブ配信で見ました。
12月13日(水)13:00開演。平日なのでお休み取ったわよ!
いろんな事情でムラ公演の日数も少なく、現地での観劇は叶わなかったのでこのライブ配信が唯一の観賞です。なんとしても東京楽も見たい。

雑感

作・演出は生田先生。
私はこれまでも生田先生の作品は好きだったのですが、今回も期待どおりの楽しさでした。

生田作品を好きな理由はいろいろありますが、ざっくり言うとこういうところでしょうか。

・組子がわちゃわちゃしてて退屈しないこと
・舞台セットや衣装などが絵的にきれいなこと
・倫理観が合うこと
・言葉(セリフ)のセンスが良いこと
・登場人物にちゃんと人格が見えること

虚実が溶けあって、どこからどこまでが劇中のリアルで、どの部分が空想の部分なのかがわからなくなるのも芝居ならではの楽しさです。

※以下、ネタバレ含む。※

アーサー・コナン・ドイル/咲ちゃん

アーサー・コナン・ドイル役の咲ちゃん。
この作品が好きなのは、ドイルが私の好きな振り回され系咲ちゃんだったのも大きい。
ドイルは悩んではっちゃけてヘンテコな人。
でもボクシングをやってるから強くて、無頼漢や暴漢たちを蹴り上げる脚が長すぎる。

自分の作った作品とキャラクタがあまりにも人気が出てしまい、自分の書きたい作品を手掛けられなくなるというジレンマが生まれるんだけど、それを解消するためにホームズを殺すという手段に出る。
そのとき、虚実入り混じる作中で咲ちゃんがモリアーティとして出てくるのには「そうきたかー!!」とうなりました。

そしてホームズとモリアーティが滝つぼに落ちる場面、いっしょに落ちたのはなぜか夢白ちゃん演じるルイーザで……という流れもものすごく面白かった。
「ええええ」という展開に脳みそがわやになるのも観劇の楽しさの一つなんですよ。
(ただしこの混乱した流れがOKかどうかは結局のところ脚本による)

ルイーザ・ドイル/夢白ちゃん

ヒロインの夢白ちゃんはドイルの妻・ルイーザ。最初から結婚してます。ラブラブです。(ラブラブって死語なのかな?よう知らん
会話が噛み合ってるのかどうかわからない夫婦だけど面白い。
医師としての収入がほとんどない夫がずっと小説を書いていたとしてもまったく気にしてない。「糟糠の妻」とか「耐える女」の湿った匂いがないんですよ。

とても明るいキャラで、この勝手にしゃべって好きなように生きてる感じがいいのよねぇ。ヒロインは添え物じゃないと思えて。

夢白ちゃんのメイクした顔色が悪く見えるなと思ったら役柄なんですね。(これもネタバレ)

ルイーザは、シャーロック・ホームズばかり求められて悩むドイル咲ちゃんにこう言うんですよ。

「私たちの人生を取り戻す」
「殺せばいい」

ずいぶんと物騒なことを言う。

夢白ちゃんはやっぱりめちゃくちゃ可愛いし上手い。役にハズレがないのよね。というか役の幅が広すぎる。
清らかな少女も、あばずれも、硬質な雰囲気のある女も、色気のある貴婦人も、そしてどこまでも明るく強い奥さんも。
きれいで華もあるし、ほんと好き。

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