『バイオーム』を見たんだ・2

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6月にアーカイブ配信で見た『バイオーム』の感想の続き。

『バイオーム』は元宝塚の男役トップ、娘役トップ、ミュージカル界の人、歌舞伎界の人などなどいろんな畑の人がご出演でした。
メンバー、すごく豪華よね。
配信のオマケでついていたトークでウエクミが語っていた気がしますが、まさに芝居の「異種格闘技」。

この異種格闘技を太い幹のように統率しまとめ上げていたのはターコさん、麻美れいさんのように感じました。
まさに芝居の役柄であるクロマツのように。

安定感というか、安心感がすごいんですよね。
どんなに体当たりしても揺らがず、しっかりと受け止めてくれそうな包容力があるのは、さすがは元トップスターというところでしょうか。

古川さんはいかにも薔薇の雰囲気があるのだけれど、庭師を演じては意外なほどに鍛えられた腕と肩に目をみはります。
あの体で、武骨で控えめながら誠実な庭師の性格に説得力がありましたね。

野添さんはクロマツの盆栽。
人に捻じ曲げられた盆栽だから、植物ながら人間味のある役どころ。重い作品のなかでの笑いどころ、息をつけるところでもあります。
人間とは一線を画した植物たちの中ではやや異質なんですよね。こういう設定も面白かった。

盆栽がひっくり返されたところでは、かなりムリめなポーズを続けていて……役者さんって肉体労働だよなぁ。

中村勘九郎さんは子ども2人の役。
少年ルイと少女ケイ(こちらはイマジナリーフレンド)で、ルイは(劇中ではっきりとは語られてはいないけれど)知的に障害がある。
歌舞伎的なふわふわした話し方が、現実に着地するのが難しいルイの性質を表しているようで、配役の妙と呼ぶべきでしょうか。

政治家の婿の学を演じる成河さんは、生々しいなーーー!! あの電話での浮気シーン。
彼なりに息子・ルイへの愛情はあったと思うんだけど、それだけでは上手くいかないのがなんとも言えないよね。

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Posted by ゆきたろ