『アルカンシェル』感想・3

『アルカンシェル』2回目はB席から観てきました。
3月17日(日)15:30の回です。
初見から1ヶ月以上が経ってからの観劇で、出演者の演技がいろいろと変わっていたような。

・かれーちゃんのマルセルは、「ココナツ・パラディ」で拷問を受けた影響がわかりやすくなっていました。
といっても、噂では、私が観劇する少し前の回では拷問のあとがひどく痛む感じの踊りをしていたらしいのことですが、私が観た回はさほどでもなく。
「ココナツ・パラディ」のあとにあおいちゃんが「やっぱりあなたの踊りは最高よ」と言うセリフがあるので、拷問と賛辞のあいだをとったのかな。

・れいまどのアドリブ含む演技は自在さを増し、こうやって宝塚の舞台で遊ぶのももうすぐ終わるのだなぁ。

・いちばん変化がわかりやすかったのはまゆぽんコンラートでしょうか。
ちゃんとまどかカトリーヌのファンで恋する男で、ナチスの「怖い男」の要素がだいぶ減ってたように思えます。

ナチスで悪でヒロインを無理やり連れ去ろうとする権力者、という単純化された構図からは遠のいた印象。

カトリーヌがステージで歌ってるところを嬉しそうに見てたり、ホテルの部屋に招待して「憧れのスターを呼んじゃった☆」みたいな表情が隠しきれてないところはただのファンのようだ。
可愛い。
可愛いが、実力行使してやることはあんまり可愛くない。

・ほのかちゃんイヴは一人違う地平で生きている、俯瞰的に見られるポジション。
しかし、マルセル達の時世への影響力を強く感じた。

ほのかちゃんは存在感がある。
ファンを受け止め、あらゆる視線を撥ね返せる強さを感じる。
ほのかちゃんを見てると、人に好かれたりスターになったりすることの大変さや怖さを知った上で、真正面から立ち向かうだけの肚が決まってる感じを受けるんだよね。

ご本人のことはろくに知らないけれど、内面が強い人なんだろうなと。
たとえスカステなどでのしゃべりがほんわかしていても。

あと、歌ってるときの声質が好き。

・だいやはセリフ声が良くなってた。上擦らない男役らしい声になってた。

・政治犯扱いされたヒロさんペペとひめ花ちゃんイヴの再会は泣ける。

・ほっちゃんはバトンや新体操など得意技を披露。華やかさと堅実さのある舞台。

・ボトルを手に「やるか」と言うバーの店主・エドモンがいい。あんじゅですね。マイティーがいなくてもしっかり舞台を務めているのね。

・花売り娘のみこちゃんはもったいない使い方。もうちょっとなんとか……!と思うけど、新公学年で路線娘役でもなかったからこんなもんかもしれない。

でもフィナーレはとにかく美しかった。
表情の変化に魅入られる。
かれーちゃんも見たいし他の男役も娘役も見たいし、でもみこちゃんの表情からは目が離せないのよ。

元々可愛い娘役だったがさらに大人っぽく美しくなって、色気も加わった。卒業が本当に惜しい。

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