104期生文化祭をみたんだ・3

文化祭,音楽学校

●第2部の演劇は『MILKY WAY』。
脚本・演出は谷センセイ(昔からいる方の)。

皇位継承権を剥奪され茅屋に幽閉された皇太子。
その茅屋に忍び込んだ泥棒……

山本周五郎の短編『泥棒と若殿』を、舞台を南ドイツに移してお贈りいたします。

というわけで、主人公である若殿≒ザクセン公国の皇子カイ、泥棒ザックが中心となり、ヒロインらしいヒロインはいません。
あえていえばカイの妹・シャルロッテかなぁ。
ほかに、カイの異母弟ゼルギウス、同異母妹ドロテア(この2人は基本的には悪玉)、旅行中にカイの家を訪れたイギリスの貴族デミトリアス、旅芸人一座から逃げてきた娘・レナーテが主な役でしょうか。

今年も例年同様A組とB組の2チームに分かれて上演。
3日間にわたって公演した今年は、A組は金曜12時、土曜16時、日曜12時に、B組は金曜16時、土曜12時、日曜16時に出演。
私は金曜にダブル観劇したので両方のパターンを観れました。よかったよかった。両方のパターンを観たくて2回分のチケットを取ったんだもの。

で。両回観たんですが、上手い人とうわぁな人の差が……。
芝居は好みの部分が大きいからうわぁと思ってるのは私だけかもしんないが、各社記事でみんなすごかった、レベル高いと書かれまくると「ほんとに同じもの観たのか!?」と不安になります。
とりあえず、自分の感想をクソ正直に書き残しておきます。

●まずはA組。

この組のカイ(御剣)とザック(真白)の芝居が……。
「(私に)合わない」なのか「ヘタ」なのかの判断はつきかねますが、えっと、2人ともセリフ回しがヤバくなかったか。
まさお節、べにーさん並みとまではいかないが、なんかベルばら的というかなんというか。大仰で時代がかってるのかなぁ。
すいません、辛かったです。
なんせ序盤はずっとこの2人でやるもんだから。

泥棒役の人は104期の次席なのね。
てことは成績は優秀なわけだが……(となったところで、私がはじめて観た文化祭の主役が98期首席のありちゃんだったことを思い出す。必ずしも芝居が得意な人が選ばれるとは限らないんだな)。

芝居が良かったと思うのは異母妹・ドロテア。(愛蘭)
悪女らしいところと、優雅なところ、表と裏を感じさせる演技。

星のあーちゃんの妹さんが女官長・リーザを演じていました。(美里)
お姉ちゃん同様ドレスが着映えする。

旅芸人の娘さんの中にもいい人はいたんだけど誰かはわからず。

近衛隊士らは総じて良かったです。

●続いてB組。
カイとザックの関係性がA組とはまるで違って見えました。

A組は宝塚の主役と2番手としてスタンダードな関係。身分を越えた友情ですね。
それがB組だと「坊ちゃんとじいや」的なものに見えるのが超びっくりでした。

B組のカイはまさに白い王子様。(蒼波)
優しさ、気品、鷹揚な雰囲気。
文化祭プログラムの素化粧の写真ではさほどでもないのに(失礼?)、芝居中はとてもきれいに見えました。今年の第6席さんだったようです。

対するザック。(珀斗)
月のさち花の妹さんなんですが、男役にしては小さい(ポピュラー・ヴォーカルで男役3人が並んだときはポコっと凹んでた)。
そしてさち花そっくりな丸顔。
あまり路線男役向きのビジュアルではないのですよね。

演技は、細かく芝居をつけすぎてるきらいもあるもののけして悪くはないです。庶民の泥棒という役にきっちりそってます。コミカルにやりきってます。
なんでか忍び込んだ茅屋で皇子のために食事を作ることになるのも納得します。庶民的だから。
そのためか2枚目の雰囲気がなくて、金のラインが入ったパンツがジャージに見えるというのが衝撃でした。卵とはいえジェンヌなのに……!

2番手というよりは花のタソとか専科のまりんとか月のふぁーびーとかみたいな感じ。
ご本人がどういう方向性を望んでいるかはともかく、そういう枠の人も貴重といえば貴重なので入団してからも頑張っていただきたい。

B組のドロテアはあまり悪玉の感じはなかったですね。宙の水音ちゃんの妹さんかな。(千早)
声は可愛いです。
ドロテアという役を、「悪玉ではない」という理解で演じているのかどうかは気になる。

シャルロッテ役の娘役さんはもしかして娘役声出すの苦手ですか?(都姫)
天の川の話をするところでは、腹話術の人形とか、宝塚受験面接とかを想起してしまいました。
高い声を出すのをものすごく頑張ってる感じで、観ているこちらの手に力が入りました。

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