『神々の土地』感想・2

宙組

『神々の土地』8月19日(土)11時に続いて、20日(日)11時と15時の公演を観てきました。(さっそく増やした)
日曜11時はB席からの観劇だったのでわかりませんが、土曜11時と日曜15時は立ち見が出てました。サバキもまぁまぁいたけど。

『神々の土地』は初見でも圧倒されますが、2回目以降が本番って感じです。
初見は舞台の綺麗さ、大階段などの使い方のかっこよさ、美男美女の豪奢な衣装、ラスプーチンのヤバさなどにやられます。

2回目以降はなんといっても人間関係。
私は昔から腐ってる人なので(かれこれ30年くらい腐ってる)、なんつってもユスポフさんに食いつかずにいられない。
ユスポフさん、真風の役です。

フェリックス・ユスポフさん、予習用に読んだウィキにはえらいネタが書かれてるんですよ。
女装の趣味があっただの、ドミトリー大公(まぁくんの役)が親友で愛人であっただの……。わくわくしちゃうじゃないですか。
とはいっても宝塚の舞台だし、作・演出は大野くんならぬウエクミだしでどのくらい期待していいもんかわからなかったんですけど。

ドミトリー送別舞踏会、最初のまかうら銀橋でのやりとり。
ユスポフさんはしーちゃん=アリーナと婚約したところのようですが、「あなた(=イリナ)が亡くなった大公に操立てしてなびいてくれないので自棄を起こしました」的なことを言うんですよ、たしか。

本気かどうかわからない言い方ではあるんですが(ていうか冗談じゃなかったら困る)、初見時に私はそれを素直に受け取ってしまったもので「この作品では同性愛設定はなしか」と少々しょんぼりしてしまいました(笑)。
そのせいで、そのあとちょこちょこ入ってくる怪しい情報に「ん?」と思いつつも反応しきれず……。
ええ、もったいないことをしました。

そう、ウエクミは一筋縄ではいかなかった。
ちゃんと同性愛ニュアンスは入っていた。

ガッチナ宮殿のマリア皇太后のサロンに呼び出されてラスプーチンの暗殺の話をするところ。
ここのユスポフさんの手がなんとも言えないんですよ。
ドミトリーの手の甲をふっと触っていくの。
そう思わなければ見過ごしてしまう、でもわかってたら気づいてしまう、そういう絶妙な塩梅の演出。
こういう関係、苦手なお客さんもいるから。

皇太后の舞踏会ではユスポフの母・ジナイーダさん(せーこちゃん)がイリナを呼び出しているんですよね。
イリナが現れたときにユスポフさん、なんか動揺してる。拳握ったりしてる。
平静を装ってるけど微妙に余裕がない感じです。

ドミトリーとイリナのいい雰囲気のダンスが見られた舞踏会のあとのジナイーダさんとやりとりがまたいかしてました。
「嫉妬した?」と訊くお母さんに、「どっちに?」と答える息子。
どんな親子だよ!

この「どっちに?」も初見では引っかかったんですよね。
両方に嫉妬する余地があるの? どういうこと? って。

――長くなってきたんで、とりあえず切る。続く。

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Posted by hanazononiyukigamau