『瑠璃色の刻』感想・4
・今回特筆すべきはなんといってもさち花のマリー・アントワネット。
素晴らしかった。
そもそも役としての出番も多く見せ場もあり書き込みもきちんとされていて……ではあるのだけれど、それでもさち花の演技力なしにはこの舞台が成立しなかった。
原田センセイの脚本のグダグダさゆえに「なんで!?」な部分はあるものの、それを演技で埋めていく。
シモンもアデマールも、アントワネットに心酔する気持ちがわかる。
彼女の母性と気高さに、アデマールが貴族たちを呪っていた気持ちが薄らいでいくのがわかる。
ゆえに、アントワネットの取り巻きの貴族たちが逃亡したあとも、彼女のそばにいようとした気持ちがわかる。
なんといっても白眉は大ナンバーから断頭台へと歩んでいくところ。
さち花の歌唱力と演技力を見せつけました。
ここは泣けた。
そして原田センセイは「場面」作りはほんと上手いんだよなぁ。
ビジュアル的な舞台の見せ方には惚れ惚れする。
・今回の話、ストーリー的にはヒロインがアデマールという気がしませんでした。
というのも、シモンもアデマールも矢印の方向がほぼアントワネットに向いていて、互いに向けられていない。
ジャックも「アデマールはどうしてるかな」くらいは言ってた気がするけど、(友情としての)シモンへの矢印のほうが強い。
アデマールって男1・2から大切に思われている描写がそんなにないんだよね。
アントワネットはアデマールを抜擢したし、フィリッポはアデマールを好きなようだったけれどしょせんは脇筋。
ヒロインと言うなら主人公ならずともせめて2番手には想われていてほしいなぁ。
それでもくらげちゃんの演技は良かった。
得意のダンスのみならず、娘役らしい芝居と歌でヒロインらしさを出していた。
いい娘役さんです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません