『ルパン三世』感想・1

雪組

雪組宝塚大劇場公演『ルパン三世 ―王妃の首飾りを追え!―』1月12日(月・祝)11時公演の感想。
阪急友の回貸切公演でした。
観たのはこの1回のみです。

貸切公演なので、開演前に組長のみとさんが出てきてご挨拶します。
いかにも宝塚! なドレス姿です。
この2日前に、素人目には歌舞伎らしくない歌舞伎を観て微妙な気持ちになったのもあって、嬉しさもひとしおです。
ああ、これよ、これこれって。

芝居はアニメの「ルパン三世」とベルばらの融合のようなもの。
とても楽しかったです。
ツッコミどころはあるのかもしれないけど気にならなかった。
多少間延びしているところがあったのが難かなぁ。

ジェンヌさんはほんとに全力でコピーするなぁ、と感心しました。
セリフ回し、動き、雰囲気などをどれだけ研究したのかと頭が下がる。

ちぎたさんはオシャレに粋に宝塚らしいルパンを造形したし、銭形のともみんは気持ちよくはじけてたし、せしるの不二子ちゃんは色っぽくて楽しかったし、彩彩の五エ門と次元も似合ってた。
とても『ルパン三世』らしかった。

と褒めておいてなんですが、アニメ版という大きな「型」があるだけに、型からはみだすことはできず、それゆえのむつかしさがあったんじゃないかと思った。
役を演じての心情よりも型を優先させないと「○○らしくない」と受け止められかねないから。
特に芝居をする上で内面を強く要求されるルパンは。

ルパンを見ていて、「ほんとにちぎたさんって真面目な人だな」と思った。
そして「こういうアニメっぽいのより、ハリー的な重苦しいほうが似合う人だよな」とも。
ちぎのルパンは決して悪くはないのに、演技の繊細さとルパンの「型」が、歯車が噛みあいきらないように感じた。
これはたぶん、本質的なものとして。

なお、他のアニメのメンバーにはそこまでの噛みあわなさを感じなかったのは、ルパンほど繊細な心理表現が要求されなかったからだろう。
あ、ともみんの銭形はなかなか大変そうな役だけど、どう考えてもハマり役なのと、ともみんは全力で自分に引き付けてくからなぁ。
あのパワフルさはすごいわ……。

ちぎのルパンですごいなと思ったのはなんといっても身体能力。
幕が下りる前、脚を横で打ちつけるジャンプがとてもルパンだった。

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Posted by hanazononiyukigamau