BUTAKOMEウエクミインタビュー

宝塚一般

1年以上前の記事ですが、BUTAKOMEに出ているウエクミのインタビューというか中井さんとの対談というか。 →コレ
(教えていただきありがとうございます)

去年の11月の記事なので、『月雲の皇子』の東京での再演を控えているころのもの。
このとき既にウエクミは入団8年目。
結構な年数をこの世界にいたというか、下積みが長いんですね。

脚本の書き方について(アテガキはするのかなど)はこう語っています。


上田:誰がやるという具体的なイメージはしないで書きました。アテガキに走り過ぎると、その生徒自身のもっている魅力のみで埋めてもらおうとしてしまう気がして。もちろん、それはそれでいいこともあるのですが、その生徒がもっている本当の力、魅力を引き出しきれないこともあるかと。彼女たちはものすごいポテンシャルを秘めているので、ちょっと無理そうな難しい役や人格的に複雑な役でも、背伸びしても何が何でもそこまで行こうとするんですよね。

(中略)

アテガキに縛られすぎず、登場人物がそれそのものとして存在を確立している脚本を目指したいと、改めて思いましたね。それが生徒のジャンプアップにつながるのではないかと。

思えば、他の演出家の作品で「この役は●●さんにアテガキして書いたんだよ」と座談会などで演出家がのたまっていた役や作品が必ずしもよかったとは言えない。
それどころか、結構な外れ率だった気すらする……。

私の恨みごとはともかく、生徒の魅力のみで埋める作品ではなく、誰が演じても作品が成立し、かつ演じた生徒を成長させる脚本というのは素晴らしい。
いい脚本は出演者を成長させるもんなぁ……『エリザベート』のように。

演出の仕方について。


上田:人物の性格や物語の意味を説明するにあたって、そこをいかにショーアップするのかということばかり考えていたかもしれないですね。ストーリーとしては、兄は文系でロマンチストタイプ、弟はどちらかというと体育会系で合理主義者という情報を伝えなくてはいけないけれど、それをいかに退屈させずに面白く見せるか。実は、私がすぐに観劇中に寝ちゃうタイプでして…よほどびっくりすることが起こったり、踊りがすごかったり、カッコ良かったりしないとダメ(笑)。だから、5分に1回くらいびっくりさせたり、刺激を与えなくちゃという企みはありましたね。

たしかに退屈しなかった。
そして兄弟の性格の見せ方も、ちゃんと言動で見せていく。それもショーアップしながら。
(ヘタな人は周囲の登場人物に「優しい」「激しい」などと言わせて終わりなの)

お客に退屈させないこと、ひとりよがりにならないことを考えている演出家ってありがたい。

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