花組『エリザベート』感想・6

2020-12-26花組公演感想,花組

・シシィの姉=ヘレネにはきらりちゃん。
内気な性格で常におどおどしハンカチで汗を拭き続けるという演技は面白かったです。
こういう設定もアリなんだなぁ。

ただ、「愛は盲目 フランツは選び違えた」という結婚式での歌がおかしくなりそうです。
シシィも困るけど、皇后がこんなヘレネでも困るだろう。

・じゅりあ様復帰おめでとうございます! なシシィのお母さま=ルドヴィカ公爵夫人の演技でした。
とにかく陽気! かわいい!
ヘレネの必死さには鈍感だろうこの人(笑)なところすらかわいい。

・一花さまのゾフィーはさすがでした。
気高く強く国政を取りしきる。息子への愛もある。
演じきっているけれど抑制もきいていて、さすがは……! としか言いようがありませんでした。

謁見の間のメリハリのある演技と歌(演じる人によって「冷酷に」の歌い方が違うのが面白い)、結婚式でのデュエット、シシィの寝室での立ち去り方など、どれも見ごたえがありました。

少女から老女、そして人外まで演じられる人だったなぁ。

・女官ズではべーちゃんがやっぱりかーわーいーいー。
もちろん女官の一人として厳しい顔をしておいでなのだけれど、娘役としてキレイだなと思う。
下級生の中には歌に必死になってるせいか、そのときの表情が美しくない人もいるので。

・くまくまちゃんのリヒテンシュタインは出色の出来。
彼女の演技には時の流れと人生があった。
シシィに気持ちが寄り添っていく過程が見える。
もちろんシシィにはどうでもいいことだったでしょうが。

謁見の間ではゾフィーの配下として静かに存在感を見せ、シシィの寝室ではその流れを汲んだ演技。
シシィを躾けるべき対象としてしか見ていない。

シシィが娘を産むと、ゾフィーの息がかかっているのは相変わらずだけれど態度の冷たさは和らいでいる。

鏡の間へつながる更衣室の場面では、政治の助けとなるシシィを誇らかに思う気持ちが感じられる。

運動の間ではシシィへのいたわりの気持ちが生まれた。

時とともに、シシィだけでなくリヒテンシュタインも変わっていく。
であればこそ、側近の地位がスターレイに奪われるのが気の毒である。

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