『宝塚をどり』感想・3

月組

●獅子と牡丹の場面。

下手花道からちゃぴ登場、娘役たちの牡丹の花とともに踊る。
中華風です。
ピンクの衣装がきれい。

まさおの獅子が出てきて陰に隠れるんだけど、ちょこちょこ顔を覗かせるのがかーわーいーいー。
ちょっと好奇心につられちゃった感じがちゃぴさんに似合うなぁ。

●続いて獅子と胡蝶の場面。

1階席から観たときは、まさおの獅子Sよりも後ろにいる獅子のほうが目立った。
動きが激しいからね。
毛振りの激しさに、これは交代でやれないと首筋を痛めそうだと思ったわ。

獅子と後見(後ろで蝶をひらひらさせる係)は春海くんと初舞台生の首席・蘭くんの交代でつとめる。
植爺が『歌劇』の座談会で花柳禄寿賞を音校時代に取った2人、と選んだ理由を語ってましたね。
最後に岩に長い毛をびったんびったんぶつけながら首を振り続けるさまには拍手せずにいられませんでした。

なお、後ろの獅子は隈取のメイクです。
顔がすごい…!
フィナーレどうすんだろうと思ってたらさすがに出てなかった。

ちなみに2階席からだと獅子Sのほうが目立つ。
交代で立つ獅子が後方にいるため見えにくいのと、オペラでセンターを見ることが多いため。
(フレームアウトしてしまう)
オペラを使わなければ自然と後ろの獅子も目に入るんだけどね。

・獅子の勇壮さは後方に任せて、まさおの獅子Sの動きはそれほど激しくない。
(あくまで獅子比)
なんとなくかわいい。

・胡蝶のみやるりは魔界からの使者の趣。
色気と毒気がある。
鱗粉になにか――媚薬か麻薬か毒か――仕込んであるような気がする。
カチャと同じ種類の生き物とは思えない。(カチャはごく普通の蝶です)

●フィナーレ。スミレのボレロの場面です。

最初は松本様のセリ上がり&ソロ舞踊、途中からカーテン後ろのちゃぴ登場、という流れだったっけな。(すでにうろ覚え)
松本様とちゃぴがダブルトップ娘役みたいな扱いで、でもさすがに松本様のほうにやや花を持たせてる感じ。

豪華な白のお引きずりに、羽根扇で舞う姿が美しい。

・初舞台生の次席・音さんのカゲソロがあります。美しい声。

・みやるりは、月組生の中で妙に目立つ。
立ち位置がいいのと(いちおう3番手格?)とてつもない美しさが理由の一つではあるんだけど、それだけじゃないよなぁと観察してしまった。
どうも元々の月組生に比べて動きが多いんである。

銀橋を渡れば視線の乱れ撃ち。
そこいらじゅうに目線を飛ばしまくる。

本舞台での群舞であってもそれは同様。銀橋ほどではないにしてもファンサービスとアピールすげー! と言いたくなるほど四方八方に視線が飛ぶ。
同じだけ視線を飛ばしても気づかれにくいタイプのジェンヌさんもいるのでしょうが、みやるりは目が大きいのと首の動きがあるのでどこを見たかわかりやすい。
全体に月組子は職人芸に徹しがち(に見えた)なので、「釣り」的な意味であまりファンへのアピールが強くないんである。

ラストの総踊りがこの差が顕著。
締めの音楽が鳴ったら月組子はピッと動きを決めて視線も動かさない。
が、みやるりは音楽が鳴るとクィッと顔を上げ(これもほかにやってる人がいないような)、そのあともあらゆる方向に視線を送り続ける。

どちらがいいとも思いませんが、この差は育ちの差なのかなぁと面白く思った。
でもみやるり同様他組からきたカチャやコマは、月組育ちと大差ない動きをしてたんだよなー。
この違いは星組育ちゆえなのか、単にみやるりの個性なのか。

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月組

Posted by hanazononiyukigamau