『ジプシー男爵』感想・3

月組

シュテルクさんにとてつもない影響を受けてしまう人、まさお演じるパリ。

はじめてシュテルクさんと対面したときは苦悩を背負ってました。
「俺はあいつを認めないぜ!」なことを言い放ってさ。

で、いなくなった? と思ったらずっと柱の陰で隠れてんの(笑)。
なんだよかわいいなぁ、自分の知らないところでなにかが起こってしまうのはイヤなのか、そうか、盗み聞きか(違)。

パリは屈折した若さがあふれてるよね。
高校生くらいの子が「ちくしょう大人なんて!」「俺の辛さがわかってたまるか」的に一人で抱え込んでモヤモヤしてる、ああいう雰囲気。
懐かしい感覚が蘇って、いとおしいやらくすぐったいやらです。

で、一人で悶々としてるのがむわぁっとフェロモン的に発散されてるのがおかしい(笑うところか?)。
こないだまでショーヴランやってましたー、なダークさやエロさがいかんなく発揮されてて嬉しいです。

認めないと言ってるよあいつー、どうするよ、どうにもならねぇよ…な状況を、気を利かせたちゃぴ演じるヴィオルカたんの策謀…じゃなくて、機転によりシュテルクさんと対決することに。
そこで素直に武器を出しちゃうあたりがまたパリのかわいらしいところなんだけど、ジプシーの対決は歌と踊りです。
ああああヅカだなぁー。とりあえず歌って踊っておかんと、という事情を垣間見せられます。

対決によりシュテルクさんの力を認めざるを得なかったパリ、 逃 げ た 。

追いかける係はヴィオルカです。ちゃぴです。娘3です。男役だけど。

でも違和感なし。
細いもんなぁ。顔小さいし。
身長はそこそこあるけど男役の中に放り込んだら埋もれるサイズだし。
ていうか、今回の月娘1・2・3(仮)ってみんなでかい。娘2のりっちーにしてからが転向組だ。

劇団はちゃぴを娘役にしたいのだろうか、という裏を考えずにはいられない抜擢でございました。
私だって初舞台生紹介を雑誌で見た段階で「転向もアリだな」と思ったんで、劇団が同じことを思ってても驚かないけどさ。

追っかけるヴィオルカ。しゃべるしゃべるしゃべる。
けなげだけどちょっとウザキャラです。
「…あたいじゃだめなんだね」「最初で最後の恋。もう誰も好きになんかならない。ジプシーの意地さ!」みたいな。
こういうキャラっておっさん(谷)が好きそうだわ。
本人のせいじゃないけど一人称「あたい」がむずがゆいです。

ヴィオルカが一生懸命しゃべってる間、パリはひたすらあさってを見つめてます。悩める青少年です。ちょっぴりアンニュイです。
男の美学…?
でもなんかしゃべってあげてよー。

そんな無口でひたすら自分の中に閉じこもってた男が戦場から帰ってきたとたん愉快なことになるのがすごいところです。

パリさん、キャラ崩壊。

王宮でヴィオルカとがばーっと抱きあったりキスしたり。
なんかずっといちゃいちゃしてる。
2人で玉座に仲良く腰掛けるところとかかわいすぎる。「玉座に座るな!」と怒られてぱーっと降りてくるところも。

ほんの少し前まで苦悩する青少年だったのに。自分の感情をもてあましてる若くて青いキャラだったのに。
いきなりスパーンと抜けた。
愛情表現わかりやすっっ。そーか、たまってたのか(何が?)。

戦場でなにがあったのだ…?
シュテルクさんが感染したと思うんだけど(シュテルクさんは菌か)、愛情表現の質からすると感染源はオトカーのほうかもしんない。


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月組

Posted by hanazononiyukigamau