星大劇版ロミジュリ感想・12
ことあるごとに「もうちょっと上手くなってくれ」と言われがちな真風。
歌はともかく、芝居ではあんまりヘタだと感じたことがないので、なんだか不思議な気持ちになります。
上手いとは思ってないけどヘタだとも感じないのです。
単に真風の顔と存在感が好きだからという以上に、私がああいうタイプの演技に対して「ヘタだわ」センサーが働かないものだと思われる。
変なテンションで舞台をぶっこわしてくるタイプはキツイんだけどさー、ああいうまったりしたの(棒っぽいタイプ……?)は平気っぽい。
そういやまさこ様も平気だもんな、私。
宙のうらら様も同系統か?
(ファンの方すいません)
耳音痴と同様、舞台を観る上では便利な機能がついてるんだと思います。
批評を書くには向かないですが…。
それはそうと、Bパターンの真風ティボルト。
好きです。
でかい。迫力がすごい。
立ってるだけで目を引く体格と存在感。いいわー。
そしてやっぱり美しいなぁ。
真風のティボルトは口元がいつも薄く笑ってるんだよね。
皮肉な感じじゃなく、むしろ穏やかに思えるほどに。
それが急に熱が上がって怒りの表現(叫ぶとか胸倉をつかむとか)になるから怖い。
「いつ切れるとも知れない、危ない男」という大公の言葉そのままに。
ほんと怖かった。
最初から怒ってる雰囲気の人よりもヤバイ感じがしたわ。
どこに怒りのスイッチがあるのかわからなくて、腫れ物に触るように扱わねばならない気がする。
今回、真風の歌の表現力に感心した。
彼がジュリエットへの恋心などを語る歌のところ。(タイトルはそのまま「ティボルト」かな?)
「ティボルト 俺は ティボルト」と歌うのが、これまではただの自己紹介ソングと思っていた。
ティボルトとジュリエットの関係を観客に知らせるだけの歌だと。
だから自分の名前を連呼するたび「うん、知ってるよ!」とツッコミを入れてたの。
それなのに今回、ティボルトという名前に重みを感じた。
彼が、キャピュレット家のティボルトである限り、いとこのジュリエットとは結ばれない。
ジュリエットの歌う「ああ その名はロミオ どうしてロミオなの」に通じる、彼の出自にまつわる苦悩のある歌だと気づいたんだ。
自分の名を歌いながら、家のしがらみにとらわれている苦しさを感じる。
だから彼が空虚さを抱いているのも理解できる。
とても痛々しかった。
歴代のティボルトの方が「歌えて」いたのかもしれないけれど(主に音程的な意味で)、物語性を一番感じたのは真風のティボルトだ。
真風の歌で感動させられるなんてなぁ。
嬉しい誤算だわ。
もう1点、真風のティボルトで感心したところ。
バラ投げが上手いの。
2回観て、その2回ともキャピュレット夫人の胸元へストライク。
意外な特技だわ。
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