『おかしな二人』感想・2

星組,専科

宝塚の舞台で3幕物は珍しい。
しかもそれでいて上演時間は短いので変な感じだった(フィナーレ・休憩込みで2時間15分くらい。いつもより15分程度短い)。

途中休憩は15分×2。
トイレや飲食には向かないだろうが(喫茶店の売り上げは大丈夫なのだろうか…といらん心配をする)、時間の短さをみな気にかけているせいか遅れて入場してくる人がいなかったように思う。

芝居がはじまる前「手のひらを太陽に」が流れる。客席手拍子。
この時点ですでに笑える。
舞台のテーマソングなのか。
人間賛歌的な明るい舞台ですよ、と告げられているのだろう。

開演アナウンスはお決まりの文句を主演者2人で交互に言う。
「専科の未沙のえるです」「専科の轟悠です」と名前が2つ続くのもすごく不思議な感じです。

そう、今回はダブル主演。
しかも理事様も主演(の片割れ)でありながら、理事様よりもずっとずっと年上のマヤさんとがっぷり組む。
今回は長子のポジではない。
そのせいか、すごく楽しそうでした。

理事様は、私が宝塚を観はじめたときにはすでに専科入りをしていて、「劇団理事」という肩書と責務をしっかりとその肩に負っていた。
舞台裏などはどうあれ、「専科でありながら主演する責務」が表に出ているようだった。
それはそれでいい。
その負荷が舞台をかっちりした見ごたえのあるものに作り上げていたのでしょうから。

けれど今回は特別。
「専科さんも出ている舞台の主演」ではなく、「自分より年上の専科さんといっしょに舞台の主演を分け合う」。
理事としての荷を下ろしてはいないでしょうが、このことで理事様がすごく自由に生きているように見えました。
いい感じに力が抜けているように見えました。

長子のポジから外れたことで、ひたすら演技者として自由に存在していられたのかな。
「昔の理事様は甘えただった」「若いころはやんちゃだった」という話をどこかで読んだか気がしますが、その片鱗が見えた気がしました。

マヤさんが耳抜きをしている場面でマジ笑いしておられましたよ…。

あいさつはごくあっさりしたものでした。
・宝塚友の会会員のみなさまありがとうございました(11時公演)
・本日はご観劇ありがとうございました(14時半公演)
これは理事様のみから。正確には覚えてませんが、だいたいこんな感じだったかと。

そして礼をして、そのまま床に両手のひらをつけてたのを観ました。
体、やわらかいな。
役柄のせいもあったでしょうが、フリーダムで楽しげでした。

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