『TRAFALGAR』感想・4

すみ花のエマが美人でした。
『カサブランカ』のときには美人度が足りないよ! と思ったんですが、今回美しく見えたのは場数を踏んだからかしらねぇ。

で、小悪魔っぽいの。
ホレイショと最初に会う晩餐会の場面でのひらひらした立ち方がいい。

金で買われた妻としての、夫の気に添わぬあり方を出すことで見せる意地や悲しさとあきらめ。
相手を無視することや反発でしか存在を主張できない人っているじゃないですか。
晩餐会でのエマの浮ついた感じはそういう悲しさなのかな。
しかもエマにもその母親にも、愛していない夫=ウィリアムのところにしか居場所がないから余計に。

で、その夫=ウィリアムのみっちゃんは悪かったですねえええ。
美術品を買うように絶世の美女を買う――それも甥から。
銀橋ですみ花の顎をなでる手のいやらしさといったら!

そんな彼が、ホレイショと出会って幸せな顔を見せるようになる妻に気づき、嫉妬を抑え、「あくまでも自分は美術品を買ったのだ」という中に本心を閉じ込めようとする矜持がまた見ていてせつない。

彼には愛するということができない。
「立場」に固執して、それを超える愛を見せることはできない。美術品としての愛でかた以外のことはできない――してはならない、しないものだと思い込んでいるから。

妻に去られることはかれのプライドや立場に抵触するからできない。
かれに出来るのは妻を「賭け」の対象にすることくらい。

わかりやすく演じないのがいいな、と思った。
抑えて抑えて匂わせる。
見ていればわかる、考えればわかるくらいの演技。

それこそが、イギリス紳士のウィリアムというものだろうから。


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