スカピン感想・1

2021-07-06星組公演感想,星組

あーーーネタばれありますよーーー。
宣言だけしておきます。
それでもOKな方は続きをどうぞ。
(面倒だから下には隠さないからねー)

星組大劇場公演『スカーレット・ピンパーネル』を見てまいりました。

超おもしろい!

ストーリーが面白いのと音楽が素晴らしいのと出演者が実力者なのと舞台が視覚的に美しいのと展開の仕方にメリハリがあるのと。
4回見て全然飽きませんでした。

いいなぁ、こういう見ごたえのある舞台は。

とうあすはいつもながらすごい。
役作りとかもちろん苦労してるんだろうけど、そういうことを感じさせない。
観る者をスッと話に導いてしまう。

ビジュアルもいいし歌はうまいし芝居もうまいし。
ああベタボメしてしまうわ。

特に瞳子ちゃんは変装してる場面とそうでない場面の切り替えがすごく上手い。
一つのセリフをしゃべりながら切り替えるところが本当にうまい。
まさに「役者・安蘭けい」って感じですよ。

しかし前回に引き続きおじいちゃんに変装。
1つめは最初に銀橋に出てくる、死体運びの車を押す老人。
声の枯らせ方が上手い。

2つめはグラパン。
ロベスピエールの信頼厚いベルギー人スパイ。

これがめっぽう面白いんだ。うさんくさくて変で。
話し方は「アナターハ神ヲ、信ジーマスカー?」系だと思っていただければよろしいかと。

このグラパン、ロベスピエールに対してはわりと下手に出てるのに、ショーヴラン相手だと完全になめてておちょくってる。

特にマルグリットが舞台で「ひとかけらの勇気」を歌ったとき。
ロベスピエールには(まぁまぁ)ってなだめる感じで対応してるのにショーヴランに対しては(いいから座っとけ!)的にぐっと肩を抑えつけて座らせるんだよー。
ひでぇw

グラパンは腰を落としてガニ股気味にひょこひょこ歩くんだ。
いつもより小柄になってかわいいやらおかしいやら気持ち悪いやら。
んでカツラつけてでっかい外套着込んで付け鼻してさー。

おかげで最初、どこの上手い脇役かと思ったですよ。プログラムも解説もろくに読んでなかったから瞳子ちゃんだと思わなくって。

しかしグラパンの扮装での登場は多かったなー。
これだけお笑いな姿で登場しまくるヒーローもすごいな。
面白いからいいけど。

老人じゃないときはおちゃらけ多し。
特に対ショーヴラン。
王宮の舞踏会でのところなんかは最高。
ショーヴランに「君がピンパーネルか!?」ってせまるの。ショーヴランのかけてるたすきっぽいもの(名前わからん)を引っぱりながら。
すんごいコメディだ。
この二人(パーシーとショーヴラン)でコメディやるとは思わなかったなぁ。

あとピンパーネル団のところも楽しい。
「男とお洒落」のところでまさかのラインダンス。
瞳子ちゃん、ラインダンスを舞台でやるの、どれだけぶりですか?

対マルグリットはシリアス。
切ないんだ…。
信じたい気持ちと信じられない気持ちが交差してて、それが真に迫って痛々しい。

そしてマルグリットを騙すところ。
友人と遊びに出掛けていたと伝えたり、アルマンからの手紙を見せることを拒絶したり。
冷たい表情で、マルグリットに感情移入すると本当にひどい男に見える。
だけど、観客は真実を提示されているから心に仮面をつけたパーシーの辛さも感じられるんだ。

コメディ・フランセーズでの場面はよかったなぁ。
1度目は結婚式を控えたところ。
ラブラブ。
舞台上と客席での2人のやりとりが微笑ましい。

2度目はマルグリットが「ひとかけらの勇気」を歌ったあと。
マルグリットがパーシーのメッセージだから歌ったと答えたところ。
パーシーはグラパンの姿でそれを聞いているから露骨には喜びや感動を現わせないんだけど、抑えた目の動きなんかでそれを観客に感じさせるんだ。

「ひとかけらの勇気」と言えばルイ・シャルル王太子役の水瀬千秋嬢とのデュエットもよかった。
これを耳福と言わずしてなんという。

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