・病人・そらちゃんフェルナンドの痛がり方に「うわあああわかる~~~」となってしまう。
ここ数年、腰痛持ちなもんで……(理由はフェルナンドとは全然違うし、こちらは死ぬようなものではないのですが)。
脚本・演出がデリカシーあるものになったこともあって、フェルナンドもよりナイーヴに見えました。
酒に女の放埓なふるまいも、命の限りを目前にしてのやるせなさと寂しさに見える。
フェルナンドの、純真なヒロイン・モニカを身籠らせてから死ぬ、という選択は到底容認したくないのですが(モニカが妊娠したことは知らなかったにせよ)、それでも仕方のないことかと思わせるのはそらちゃんの演技力であり、持ち味なのでしょう。
なんか、ほんとにダメで魅力的な男が似合うよね、そらちゃんは。どういう風に育ったらそんな引き出しができるというのだ。
・フェルナンドの友人の医師・ランベルトはあがちん。
初日近くは休演していて代役を1期上のはいちゃんが務めておられたそうですが、そちらは未見。
私は配信で復帰したあがちんバージョンを観ました。
あがちんは、落ち着いた役のほうが似合うんですよね。
コメディ系のはっちゃけた役は合わないのか粗が目立つんだけど、それなりの年齢の役の落ち着いた話し方の役だとしっくりくる。
ランベルト医師も(中身は熱いけど)どちらかといえば大人で落ち着いた役なので似合ってました。
捨てられていた薬包紙やレントゲン写真からフェルナンドの病気を知ったときの憤りや悲哀もよかった。
まゆみさんとの腰痛のやり取りのくだりは笑いました。
「年ですね」って言っちゃうのはデリカシーがないっちゃないけど、すっぱりしていていい医者だと思うんだよね。私はこのくらいあっさり言ってくれる医者のほうが好きだ。
白衣姿もスーツ姿もごちそうさまでした。
男役らしい衣装が似合いまくるのは天性のものですよね。素晴らしい。
ちなみに私にとってのベスト・あがちんの演技は、けっこう古いのですが、咲ちゃん主演のDC公演『ハリウッド・ゴシップ』のカメラマンです。
メインの役は若手俳優なので、カメラマンはバイト。
・ヒロイン・モニカは華純沙那ちゃん。
可愛くて、歌も芝居も上手いのがいいよね。
小柄な丸顔だから、小動物的な愛らしさもあり、男役としてけして大きくないそらちゃんの隣でもしっくりくる。
しっかり者でありつつ純粋な感じも出てました。
電話でフェルナンドの死を知ったときの無の表情がとても印象的でした。
衝撃的な出来事があると現実を受け止めるのが困難で、いきなり泣いたりできないんですよね。
ところでかすみさなちゃんとひまりちゃん、メイク顔めっちゃ似てるな。雪娘メイク?
・レントゲン技師でアニータの兄・ジョルダーノはあすくん。
イケメンである。
(アニータがきららうみちゃんなので「顎に血筋を感じるわ」などと思ってみたり)
フェルナンドとランベルトとジョルダーノ、ついでに看護師にモニカがいる病院は目に優しい……というか、拝みに行きたくなるな。
通院することを拝殿とか巡礼とか呼びたくなりそうだ。
しかし自分の勤め先の院長が妹を愛人にしてるって、兄的にはどうなんだろう。
イタリアーノ的にはOKなんだろうか。(どう見ても世界観は昭和の日本だけどな)
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