『双曲線上のカルテ』感想・1
バウホール公演『双曲線上のカルテ』7月29日11時の回を観てきました。
観たのは1回だけなので、ざっくりとした感想だけ書いておきます。
あ、原作ありドラマありの話なのでラストのネタバレ含みます。
隠しませんが、知りたくない方はご注意ください。
●芝居は骨の部分だけやって、ラストを改変してくれたらよかった。
たぶんそれだったら感動してた。
●天使、アイドル、妊婦、ぜんぶいらない。
やってる人には悪いけど、いらない。
明るく見せるための遊びの部分、ショーアップされた場面ともいえるけど、悪ふざけにしか思えなかった。
これがないと下級生に見せ場が作れないというなら、それは作品選出の段階で間違っているか、演出家の無能かだと思う。
アイドルの場面はノレたら楽しかったのかもしれないけど、私は置いていかれた。
ぽかーんとした。
繰り返していうが、やってる人が悪かったとは思わない。
●ラスト、ちぎたさんのフェルナンドが自殺するのはいい。
意見は分かれるだろうが、生き方の選択の範囲内だと思う。
いやだったのは、あんりのモニカが子供を生んでいること。
未婚の母になってること。
フェルナンドが無責任すぎる。
世にシングルマザーはいくらでもいるだろうし、そのことについてはいいとも悪いとも思わない。
(だから夢華さんの役=アニータもシングルマザーだけど、それについてはどうとも思わない)
問題は、フェルナンドが自分の病を告げずにヒロインと恋をし、彼女を妊娠させた挙げ句、勝手に死んだこと。
モニカがフェルナンドの病を知っていてなお関係を望み、シングルマザーになることを承知の上でそうなったのなら別にかまわない。
が、そうじゃないから。
ないわー、マジでないわー。
自分の死期を悟って、女にタネをつけて一人だけ死ぬとかマジでないわー。
モニカだけは自分の病気に気づいていなくて、だからこそその明るさに救われて、それに惹かれた(でもって関係を持った)とか、ムシがよすぎるわー…。
朝風くん=チェーザレのエピソードで「死が近づいた患者は生きることに正直になる」みたいなことを言っていた。
で、モニカとフェルナンドがなんで惹かれあったのかよくわかんない作りになってたものだから、
「よーするに、死ぬに当たって性欲が表に出てきたんだな」「子供を残したくなったんだな」
という印象になってしまったよ。
恋愛、台無しだよ。
チェーザレ絡みの話の感動もどこかに消えさったよ。
しかもそれをいい話っぽく描いてるところがイヤさ倍増。
なんなのこれ。
作家とか演出家とかの男性的な欲望のありかをみるようで、気分が悪かった。
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