『FROZEN HOLIDAY』を見たんだ・1

雪組公演感想,雪組

雪組大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』の併演のショー『FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)』をライブ配信で見ました。
12月13日(水)、大劇場の千秋楽です。

クリスマス、大晦日にお正月という冬の祝祭を一度にやってしまおう。
しかも洋物ベースだけど和物のニュアンスも入れて何重にもめでたく、雪組99周年と100周年をつないで盛り上げようという欲張りで盛りだくさんなショーです。

「なんでも足せばいいってもんじゃないんやで」というのが正直なところです。

しかしなかなか初日が明けず、大劇場に足を踏み入れることが叶わなかった身には舞台の幕が開いただけでもありがたいし、雪組子がこれでもかと舞台で歌い踊りまくっているというのはさらにありがたく感じます。
一時期は雪組の大劇場すら全公演中止も危惧しましたから。
3番手・そらちゃんの退団公演でもあるのに、なにもなしで送り出すのは辛い。

神父・そらちゃんには格と実力にふさわしい餞が用意されてました。
大晦日の場面に、フィナーレ群舞。
この作品の一番好きなのがフィナーレの群舞「人生のメリーゴーランド」です。

男女カップルのダンスから始まり、男役ダンスへ。
衣装がとてもシックで良い。
メリーゴーランドを模した円形の隊列が新鮮に美しい。振付は三井聡先生です。
男女3組のダンス、そして咲ちゃんとそらちゃんのデュエットダンス、という呼び名でいいのでしょうか。男役2人で踊りました。
千秋楽だったのでそらちゃんの胸には赤い花が。

そしてラストは咲ちゃんのソロで、そのまま銀橋へはひとりで向かう、近年では異例の流れです。
客席に投げキスもしました。

次回の大劇場公演はベルばら1本物でショーなしですしね……。
今はまだなにも公けになっていませんが、おおよそのファンが想像することを裏付けられた気持ちでした。

千秋楽なので退団者3名も黒紋付きに緑の袴で大階段を降りてご挨拶があります。
今回の退団者はりりちゃん、ナナちゃん、そらちゃんの3名。

りりちゃんのおばあさまが元ジェンヌさんだそうで。
でもたしかに『宝塚おとめ』に書いてあったわ。
おばあさまのころとはだいぶ時代が変わったでしょうが、現在の宝塚をどう思うか聞いてみたいものです。

ナナちゃんは上級生娘役らしく凛々しく清々しい姿でした。
東京公演に向けての意気込みも。

そらちゃんもやりきった清々しい顔でした。
宙組時代も雪組時代も、どちらも大切な思い出であると伝わるご挨拶でした。

雪組トップスター・咲ちゃんのご挨拶が、多くを背負っていると感じさせるものでした。
以下、ご挨拶をスポニチアネックスより引用します。

皆さまの温かいお気持ち、拍手、大好きな雪組の仲間のキラキラした姿、今日という一日もまた大切なものがひとつ、増えました。

劇場にいらしてくださる皆さまに、宝塚を愛してくださる皆さまに何かステキな言葉で気持ちをお伝えしたいと何度も何度も悩んだのですが、不器用で気持ちばかりが先走ってしまいます。苦しめてしまって、悲しませてしまって、それでもやっぱり大切なあなたがいるから、今こうして舞台に立つことができます。皆さまへの感謝、お一人お一人への感謝の気持ちを少しでもこの舞台からお返しできるよう。そして世界には、それでも物語が必要だと信じて、東京公演に向けて元気に走って参りたいと思います。

スポニチアネックス

宝塚歌劇団雪組公演が千秋楽 彩風咲奈「お客さまが温かくて幸せです」 – スポニチ Sponichi Annex 芸能

中止が相次いだ宝塚歌劇団雪組公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」が13日、兵庫・宝塚大劇場で千秋楽を迎えた。

「苦しめてしまって、悲しませてしまって、それでもやっぱり大切なあなたがいるから、今こうして舞台に立つことができます。」という言葉の重さ。
苦渋の選択のうえに、今、咲ちゃんたちは舞台に立っているのでしょうか。
雪組も、激震の宝塚歌劇の影響を大きく受けた組ですから。

もう悩むな、悲しむな、あなたたちが負うべき責めではないと私が彼女たちに言いたいけれど、あえて悩むことを選択したのだろうなという気がします。悩み、もがき、そのうえで進んでいくのだと。
いや、私がなにを知っているわけでもないのですが。

最後の曲は「この愛よ永遠に TAKARAZUKA FOREVER」。
「フォーエバー、続けばいいのにね」「TAKARAZUKA FOREVERを歌いながらそう思ってしまいました」と咲ちゃん。
なにかの終わりを予感させる言葉。
あまりにも切ない祈りに聞こえましたが、私もだいぶ感傷的になっているのかもしれません。

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