2023年『レビュー in Kyoto』感想・2

OSK

今回の公演で強く感じたのは気魄でした。

これまでもOSKが本気でなかったことはないと思うのですが、上げ潮に乗っている今、チャンスの前髪をつかもうと全力であると感じる舞台でした。
満員御礼の客席も、いつまで続くかはわからない。
『ブギウギ』効果をこれからにつなげるために、全力でお客さんをつかむ。

無料で楽しめる娯楽があふれている今、安くないお金を払ってわざわざ劇場まで出向く人は貴重です。
宝塚ファンもOSKファンも「お金を払って楽しむ」のが当たり前すぎて忘れがちなんですが、一般の人(というか普段観劇しない人)は劇場に来ませんから。
はなから「生で観る」という選択肢が頭にないし、どこで何をやってるか知らないし、チケットの取り方もわからない。「10年前に町内会の旅行で観たわ!」で終わりです。

そんな人たちが劇場にやってきた。
この好機を逃してはならぬと、101年目に訪れた奇跡のタイミングで全力でお客をつかんでいました。
たぶん、かなりの人が沼にドボドボだったのではないでしょうか。

演目としても面白い作品で、幅広いジャンルをカバー。
JAZZにヒップホップにバレエにタンゴに、ラインダンスも外せない。

中でもロックな白鳥の湖の場面が好きすぎです。黒燕尾に淡い紫のドレスがクラシカルに美しい。
トップの楊さんがさすがのダンサーぶりでかっこいい。
その背後から登場するトップ娘役の千咲さんがラスボス感あってこちらもかっこよさに震えますわああああ。
千咲さんは小柄で可愛らしいのに、それにとどまらない迫力と技量の持ち主です。

バレエの場面はこちらもトップ娘役の舞美さんがセンター。(OSKは現在トップ娘役が2人おられます)
男役張りに男前で色濃いイメージもある舞美さんですが、楚々とした可憐な雰囲気も持っているのですよね。
娘役さんでたくさんの舞台は美しくて素敵。

『ブギウギ』でブレイクした翼くんですがドラマでは歌ってません。
なんというもったいないことを……!と思うのですが、そうであるからこそ『ブギウギ』からOSKに足を踏み入れたご新規様にはびびっていただきたい。あの歌の上手さと美声に。
ついでに言えばダンスも芝居もめちゃくちゃ上手いので、ひれ伏すがよい……!と謎のポジションでのたまいたくなります。来年に再演される『へぼ侍』、配信でなりと見るといいですよ。

HIPHOPの場面では華月さんがセンターでバリバリに踊る。
華月さんは異色の経歴で入団された方らしく、存在感を遺憾なく発揮。
OSKは入団時期(年齢)も宝塚より幅広いから、ある意味ちょっと面白い人が集まりやすいのかもしれない。

この場面では碧くんや南星くんも目立つところにいて楽しませてもらいました。
碧くん、こういうダンスも上手いんだなぁ。そしてめちゃくちゃウィンク飛ばしてくるな(笑)。

ラインダンスは唯城ちゃんがセンターでいつ見ても可愛いいいいいい!!!!
なんというヒロイン属性。
そのうえキレッキレで踊るし。

ラインダンス本編の前には椿くんとのコミカルな絡みもあり。
たけふ公演のラインダンスも芝居っけのあるコミカルな振付がされてましたね。こういうの好きなのかな。
ブリブリに可愛いことしてる椿くん、いつもながら顔がいい、スタイルがいい、華がある。この方もダンスもめちゃくちゃ上手い。

ラインダンスはチアガール風の衣装で「OSK」の文字が胸に躍るのがダサいといえばダサいがクセにもなる(笑)。
いや、こういうツッコミどころってけっこう大事かも。印象に残るじゃない。

京都公演が退団公演となった実花さんは、可愛さと大人っぽさと変わらぬ透明感のある娘役さんでした。
翼くんとの場面、素敵だったわ。

9

OSK

Posted by ゆきたろ