梅芸版『エル・アルコン-鷹-』配信を見たんだ・2

星組公演感想,星組

ライブ配信で見た梅芸版『エル・アルコン』の感想の続き。

・初演の瞳子ティリアンは青い炎を燃やしてまさに「クールに決めろ」な感じだったけど、再演の琴ティリアンは赤い炎のイメージ。
野心が隠れてないし、陰険さもあまり感じない。
でもこれはこれでいいティリアンでした。
そのあたりの演技の違いは、学年なのか、本人の持ち味なのか。

スペインへ到着したときのティリアンの嬉しそうな瞳が印象的でした。
喜びに揺れて輝いてるのね。
素直な奴め、って言いたくなったわ。

ギルダと最初の戦いを終えたところ、こっちゃんの「マドモアゼ~ル」の発音は真似して遊びたくなる。

・天飛ブラックは期待どおり。
93期の愛ちゃんより手慣れてみせないといけない役どころだけど、9学年の差をものともせず演じきった。
(愛ちゃんの力技の若々しさもすごい)

プロローグから歩き方が生粋の海賊で、貴族ではない男くささがあっていいんですよ。
うん、天飛くんは少年役とかやってる場合じゃないからさ。
(文化祭から大人の男くささがあったのよこの人)

海賊としての天職感がすごくて、「撃て」って言うのも楽しそうでした。

レッドを殴るのもキャプテン・ブラック比で力入れてない感じなのに痛そうなところがさすが。動きにキレがあるのよね。
パンチに力入れてないのは、しょせん文系上がりへの手加減とレッドへの愛情です。

登場シーン、ちゃんと薔薇くわえてたけどあっという間に投げ捨てたのには少々笑った。

天飛ブラック、薔薇くわえてても草っぽい(昭和の映画におけるススキみたいな)だの、肉のほうが似合うだの言われてたのも思い出して、ほんと草生える。

バイトも何か所か。
パーシモン卿の愛人の1人は、「顔くっろ!!」ということで見つけやすかったです。

いやほんと、パーシモン卿の守備範囲の広さはすごいと思うのよ。
ありとあらゆるパターンをそろえておきたいタイプなのかしら。
(で、ロリ枠としてまめジュリエット追加)

・まめちゃんのジュリエット、ほんとうまかった~~~!!
絵面がものすごく昔の少女マンガでね、メイクとか工夫したんだろうなぁ。

ジュリエットのウザさと可愛さのバランスが絶妙で、近くにいたらイヤだけどちゃんと面白くて可愛いところに着地してた。
まめちゃんは舞台でのバランス感覚がほんとによくて感心する。
歌もうまいし。

パーシモン卿の「わしの心もピンクに染まる」は千秋楽アドリブかな?
ちゃんと2人でハート作ってるのも笑う。

・咲城ニコラスは実務家感が強め。
初演のゆかりちゃんみたいにお小姓とか第2のヒロインとかいう雰囲気じゃないんですね。
(まぁあれは退団ブーストで、倒錯的美貌のゆかりちゃんの特質って感じもあったな)

しゃきしゃき働きそうで頼もしかった。
マスターズ(ひーろー)とスコット(りっひー)とともに「ミッション」を歌いそうというか。

・あかさんのジェラード・ペルーもよかった。
あかさんは屈折した役が似合うねぇ。

ラスボス系の腹に一物ある役をこれからも観たい。

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