『カルト・ワイン』感想・2

・オークショニア役の何色ひなこちゃん。
かれは作中の人でありながら、客席と舞台をつなぐ存在でもある。
(役名が個人名ではなく一般名詞なのがポイントなのでしょう)
オークションを支配すると同時に、客席を操っているような存在感を放つ。

特に壇上でオークションハンマーを振るってるところ。
ああいうところでちゃんと目立てるというのも路線男役として大事なことですよね。

まだ新公学年なのに、そういう帝王感が出せるのは立派だなぁ。
強烈な白い光を放てると同時に、光の裏にある灼けてひりつかせる感覚や、濃い翳を想像させるところもある。
得体の知れなさがあるのもひなこちゃんの魅力。

もちろん、長身でスタイルが良い優れたビジュアルや歌や芝居の実力があるのも強いよね。

・わんたさんが悪役専科だった(笑)
ホンジュラスでもアメリカでも悪役。
でも似合うし上手いんだ。

特にホンジュラスでの、シエロにまっぷーを殺してこいというくだりは怖かった。
ああやって組織から抜け出せなくするのね。

フィナーレではにっこにこで踊ってて可愛かった。

以前よりわんたさんはだいもんに似てるなぁと思ってることもあって、マフィアみたいな反社会系の役が多かった雪組時代のだいもんを感じて懐かしかったり。
宙組99期のわんたさんは、噂でいろいろ言われる同期のことがなければだいもんみたいに「上がる」可能性もあったのかなぁ……。

・ずんちゃんは役の幅が広い。
ホンジュラス時代もアメリカ時代も違った雰囲気を出しつつちゃんと同一人物として演じられる。
演技力あるよねぇ。

カミロ・ブランコとしてのスマートな若者ぶりはさすがの王道ぶりだけれど、シエロとしての荒くて短慮な若さもいい。
粗野なビジュアルも新鮮だ。

でも覚悟を決めるべく高級なスーツに袖を通すようになるところのかっこよさはさすが。
(ゆうひさんを思い出した……前から似てるとは言われてるよね)
男役としてのかっこよさがこれでもかと出てる。

裁判であげられるヴィンテージの年を間違うというのはシエロにしてはあまりにも杜撰なミスだと思ったけど、あれはわざとなのかもしれない。
「役者は自分で芝居の幕は下ろせない」から、何らかの形(=有罪になり刑に服す)でもない限り、チャポさん=あーちゃんとのつながりは切れないから。
ましてフリオに累を及ぼさないようにしようと思うとね。

シエロはフリオを守ろうとしてるのがすごくいい。
チャポと出会ったときも、偽のワインを売りつけようとした時も。
シエロはフリオを白いままでいさせたいのね。
仲間で友達だけど、日の当たらない道に進むのは自分だけでいいというね。

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