『たけふレビュー Calling Moon』感想・3

OSK日本歌劇団のたけふ菊人形公演、第43回『たけふレビュー Calling Moon』を観てきました。
10月9日(月・祝)10時と12時、10月14日(土)14時、11月5日(日)12時と16時の計5回の観劇です。
5回観てチケット代は1万円ちょうど。1公演は70分くらいだったかな。
毎年のことながらお得感がすごい。

今回は桐生・城月という大人っぽいコンビによるショー。
この2人はいわゆるトップコンビではないけれど相性が良くてよく組んでますよね。

ショー自体も大人っぽい雰囲気で、3歳児も観るたけふ公演的にはどうなのか……?という感じもありますが私は満足しました。

・黒を基調としたシーンでスタートします。
最初の「Calling Moon」のネオンにも心躍るし、桐生さんをセンターにした男役さんの椅子を使ったダンスもかっこいい。これでもかと「男役」のかっこよさをシンプルに見せるようなダンスで、桐生さんによる男役講座の趣もある。

男女で絡んで、最後は2組のカップル(?)のダンスになって。
女の子に振られた京我くんと依吹くんが最後に隣り合って据わって終わり。
このときの2人のなんともいえない雰囲気がまた面白いんですよね。回によって京我くんが「え?なんでこっちくるの?」みたいにしてたり、2人で慰め合うような感じになってたり。

・かぐや姫の場面は、城月さんは薄い白ドレスの上に着物を羽織る、ネオ和装とでも呼ぶべき衣装。
踊りやすいだろうし運びやすいだろうし「あくまでショーです!」という感じがしてきれい。
城月さんかぐや姫が月に還るときに、少しずつ表情が凍って人間味をそぎ落としていくのが好きでした。でも回によって雰囲気が違って感じられたのは、舞台は生ものだからでしょうね。

・かぐや姫に求婚する5人の貴公子が、それぞれに役を作ってて楽しい。
瀧登くんはお人よしキャラなのねとか、そこ!腰をグラインドさせるんじゃない!とかツッコみながら見てました。

男役さんは途中から帝の弓兵(コロス)になって出てくるんだけど、弓の構え方もかっこよくて素敵。

帝役の桐生さんは、そりゃもうさすがとしか。存在感があります。
かぐや姫を地上に残したいのは、自分の欲のためではなく、かぐや姫を育てた翁・媼のためにという歌でしたね。

・夢のサーカスは上手客席から桐生さんが登場し、客席前方センターを回って下手中央へと進む。
途中で紙吹雪を散らすのも美しい。
客席のお子さんにもよくアピールしてる。
初見はピエロのビジュアルに「桐生さん自らあの姿で…!」と驚いたけど、桐生さんらしいなぁ。エンターテイナーです。

舞台上で早変わりでサーカス団長になるんだけど、これはめちゃくちゃかっこいい。
この切り替えの鮮やかさがさすが桐生さんです。

サーカス場面のサーカスガールたちは黒とオレンジの衣装にあえて破れた網タイツ、城月さんもアイマスクありとフェティッシュてんこ盛りでした。
男役さんたちは動物を思わせる衣装。雪組の『ソロモンの指輪』を思い出しましたわ。

仮面の美女・城月さんは妖しい美しさで桐生さんを翻弄する。
ただ美貌なだけでなく、「美しい」と観客に感じさせる雰囲気があるのが城月さんなんですよね。ぞくぞくします。

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